悪役令嬢?、、だから何。
受験生
第1話 フローレンス公爵家
「よっこいしょ。」
今日も大勢の人達が仕事をしている【ポーユ村】。ポーユ村は【エルビス王国】の北の荒地に位置しており、正式名称は【フローレンス領ポーユ村】。その名の通りフローレンス公爵家が領主の村だ。
「ちょっと、アナ。エマ達がどうやら仕事をサボってるみたいだから、こっちに呼び戻してくれ。これは命令だよ。」
「え、あ、はーい。」
ポーユ村にある唯一の仕立て屋【テイラー】で働いているアナは店長であるリーシャの命令により渋々先輩達であるエマ、ミア、ケイラを探すことにした。
「ねぇおっちゃん。エマ達見なかった?」
「おぅ、見たぞ。最近新しい広場できたからそっち見にいったんでねぇか?」
「、、そう。ありがとう。」
ポーユ村は小さい村だから誰かいなくなったら近所の人に聞くとすぐに居場所が分かる。
アナは広場に行くことにした。
「あはは。」
「もぉー!」
「あはっ!」
、、、、、。
遠くから先輩の姿が見える、、、。
「、、、はぁ、先輩。リーシャさんがカンカンに怒ってましたよ。早く仕事場に戻ってください。」
エマ達先輩方の前に仁王立ちし、アナはそう告げた。
「「「え?」」」
三人の声が重なった。
「、、、、、、あ、あああ、アナちゃん。、、君も一緒に、サボろう!!」
ショックで頭が壊れたのかエマ先輩が変なことを言い出した。
「、、、は?」
アナは思いっきり顔をしかめる。
「だーかぁーらー、一緒にサボろう!どうせ頑張って働いてもここ田舎だからそんな給料出ないし〜。、、、それにアナちゃんも気になるでしょ!、、フローレンス公爵家のは、な、し。」
エマ先輩がドヤ顔でアナに提案してきた。
「、、フローレンス公爵家の裏ですか?」
アナは興味津々になった。
、、何を隠そう、アナは貴族のゴシップが大好物なのだ!!
「、、ふっ、ふっ、ふっ〜。、、、やはりアナちゃんはこの手の話には目がないね〜。、、では今から話します!、、これはフローレンス公女の姉と妹の出生の話、、。」
♢♢♢
フローレンス現公爵【テオドール・フローレンス】の妻は長年婚約していた【ベイリー侯爵家】の長女【ベリンダ・ベイリー】だ。執事や侍女、その他の使用人や護衛の騎士達から見るとベリンダとテオドールの仲はあまり良くないと感じていた。寝る時は一緒だけども二人は普段あまり会話を交わることがなかった。使用人一同が二人の仲を危惧していた時、転機が訪れた。
なんと、第一子が誕生したのだ。
子供は女の子で名前は【アメリア・フローレンス】。青紫色の髪に目は緑色。立派に夫婦の特徴を引き継いだ可愛らしい女の子だった。
公爵邸が祝福に包まれた夏の終わり頃、ベリンダが産後一週間後に亡くなってしまった。
公爵邸が悲しみに包まれたまま、二年の歳月が過ぎていった。
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