小学校

ママの名前はりお。りお・マルタン。

パパと結婚する前の旧姓は白熊。白熊りお。

大阪府で生まれた。

京都に近い大阪。

電車で2駅も行ったら京都府になるような大阪。


☆☆☆☆☆


高校生になった夏休み。

「ママ~。うちな~、夏休みにサンフランシスコのおばあちゃまんちに行ってみたいねんっ!」

「えーっ?サンフランシスコに~?」

「うんっ!ええやろ?」

「まあ、おばあちゃまは、りおと会えて嬉しいやろけども」

「そやろ?じゃあ行ってくるわっ!」

「えーっ?いつ行くの?」


おばあちゃまはサンフランシスコでアクセサリーのお店をやっている。


「そやな~来週あたりに」

「えーっ?来週行くん?」

「うんっ、ええやろ?」

「えっ?まあ、ええけども」

「やったあ!ほな、来週行ってくるねっ」

「えーっ?あ、そうなん...じゃ、連絡しとくわねっ」

「お願いしますー」


「りお、サンフランシスコ行くのー?」

「あっ!お姉ちゃんもいっしょに行く?」

「わたしは来年、大学に合格したら、フランスにでも行きたいねんなー」

「ほな、うちひとりで行ってくるわっ」

「うんっ、そうして!いってらっしゃい!」


「なんやなんや?りお、サンフランシスコ行くんかいな?」

「えっ?あっ、パパ!うんっ、夏休みにサンフランシスコ行ってこよう思って」

「じゃあ、なんか、おみやげ買ってきてな」

「なんか、ほしいのあるん?」

「なんでもええわっ」

「なんやそりゃ...じゃあ、まあ、なんかあったら買ってきたるわ」

「よろしくねー」


翌週に、うちはサンフランシスコに飛んだ。

飛んだって言っても、自分で飛んだんではなくて、飛行機で行ったんやけど...まあ、わかるかっ...関西国際空港からサンフランシスコへ。


おばあちゃまのアクセサリー店は、ケーブルカーの走っている道沿いにある。

ケーブルカーに乗ってれば見えてくる。


あっ!見えたーっ!

ケーブルカーから地面に向かってジャンプ!

車掌さんは、落ちたのかと思って、うちのことを見てたから

大丈夫だよ~

って手をふって合図したら、わかってくれたみたい。


そこから

タッタッタッタッターッて、アクセサリーのお店に向かって走って行った。


ドアをガバッと勢い良く開けて

「ハロハロハロー!ハロハロハロリ~ン!」

って、あいさつしたら

「あっ!ハロハロハロリ~ン!」

って返ってきた。


「サンフランシスコって、良き景色の街やねーっ!大好きー」

「りおちゃ~ん!いらっしゃ~い!ひとりでよく来たわねーっ!」

「えへへへ!旅行、好きやから...」


「りおちゃん!今いくつになったん?」

「15やでーっ!」

「15かーっ?はやいなーっ!もう高校生やもんなーっ」

「そやでー」

「こないだ赤ちゃんやったのになー」

「いつの話やねんなー」

「あははは、でも、りおちゃん、こないだまで赤ちゃんやったような気するわー」

「まあ、赤ちゃんみたいなもんかもしれへんけどなっ」

「でも実際に会ったら、可愛い女の子になってもうてるやんっ」

「そうなん?」

「そやでー」

「りおちゃんも、もう女子高生やなんて...」

「うふふ...サンフランシスコの高校に行こうかなー?」

「えーっ?サンフランシスコのーっ?」

「でも大阪もめっちゃ好きやから、やっぱり大阪でええわっ!」

「どっちやねんな!ほんまにもう」

「いひひ」


「えまちゃんは、今日はいっしょには、けーへんかったん?」

「お姉ちゃんはフランスに行くって言ってたでー」

「えーっ?フランスにー?」

「うんっ!お姉ちゃんも来年は女子大生にならはるから、そしたらフランスに行くんやて~」

「あっ、そうなんや...でも大阪にも、ぜんぜん帰ってないけど、大阪も変わったやろな~」

「梅田のへんとかは、めっちゃ進化してるみたいやな~!うちのへんは、そんな変わってへんけど」

「へぇー、そうか~!あっ、そうや...ちょっと近くまで買い物に行ってくるから、お店見といてくれへん?」

「ええよー!いってらっしゃい!」

「ほな、ちょっと行ってくるわ」


ひとりでお店番している間も、結構いろんなお客さん来てくれてた。


夏休みやから、日本人のお客さんも来てくれてる。


お店には、壁から天井まで、めっちゃいろんなアクセサリー飾られてある。

お店番しながらも、そんな、いろんなアクセサリー見てるだけでも楽しい!


ドアを開けて、日本の女子大生っぽいお姉さん3人組、入ってきたから

「いらっしゃいませ~」

って日本語で言ってみた。


「うわっ!日本語や!」

ってお姉さん、ちょっとびっくりしてる。


「こんにちは~!ここ、あなたのお店なん?」

ってお姉さんに聞かれた。


「おばあちゃまのお店だけど、今はお店番してるんです~」

って答えた。

「へぇー、そうなんやー!ええなー」

関西弁のお姉さんたちだ。


そのあと、フランス人らしき男の子も入って来た。

お店の中を嬉しそうに眺めている。

なんとなく雰囲気で、フランス人なんかな~って思って

「ボンジュール」

って言ってみたら

「あっ!ボンジュール」

って返ってきた。


でも、うちのことを見て、日本人って思ったのか

「こんにちは~」

って、その男の子は言ってきた。

「あっ!こんにちは~」

って、うちも答えた。

なんとなく、うちと同じくらいの歳の子やな~って思った。


「リュカ~!」

っていう声とともに、その子のママらしき人も、お店に入ってきた。

ふたりはフランス語で、しゃべってる。

入ってきた時

「リュカ~!」

って呼ばれてたから、きっとリュカっていう名前なんかな~って思った。


その子は

「日本、大好き~」

って日本語で、うちに言ってくれた。

「ありがとう~」

って答えた。

「日本に行きたい」

って言ってる。

「日本の京都とかに行ってみたい」


「あっ!京都いいですね!うちも京都近いです」

って言ったら、目をめっちゃ輝かせて

「そのうち行きます」

「ぜひぜひ」

って言ったら、めっちゃ笑ってくれた。


日本人のお姉さん3人組は、お店のアクセサリーをそれぞれ何点か手に持って

「これ、くださいー」

って買ってくれた。

「めっちゃ可愛いアクセサリーいっぱいありますね」

って言ってくれた。

「ありがとうございますー」


「バイバ~イ」

ってお姉さんたちは、お店を出て行った。

リュカくんにも

「バイバ~イ」

って言って手をふっていた。

リュカくんも

「バイバ~イ」

ってお姉さんたちに手をふっている。


「ただいま~」

って、おばあちゃまも帰ってきた。

「おかえり~」

「お店番ありがとねー」

「みんな可愛いって言ってくれてるでー」

「そやろー!」


リュカくんと、リュカくんのママも、ふたりでアクセサリーを何点か買ってくれた。

帰り際に

「さようなら!日本に行くね」

ってリュカくんは言ってる。

「来てね」

って、うちもリュカくんに言った。

「バイバ~イ」

「バイバ~イ!またね~」


その日は、ずっと、お店の中で過ごしていた。

お店のすぐ近くに、おばあちゃまの家もある。

家に行って、おじいちゃまとも会った。

めっちゃ喜んでくれた。

おじいちゃまはクリーニング店をやりながら、ミュージシャンもやっている。家には、いろんな楽器もいっぱい置かれてあった。

おじいちゃまは、いろんなミュージシャンともセッションしているみたいで、家でギターを弾いてくれた。ギターもいろんな種類のをたくさん持っている。


パパのおみやげも探さなきゃって思ってたら

「これ渡しといて!」

って、おじいちゃまは、うちにギターをくれた。

それから、なんとなく、パパの好きそうなアクセサリーも、おみやげにゲットした。


ディズニーランドに寄ってから大阪に帰った。


☆☆☆☆☆


ボクは、マーリアちゃんといっしょに小学生になった。

パリの小学校に通っている。

小学校でイレーヌちゃんとも仲良くなった。

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