エッセンス・エッセイ「vol.1 アビリティ・ランキング:旧世代伝説」
おまけのエッセイです。
ようするに作品の『あとがき』ですね。
以前にも書いたことがありますが、
「頭の中の設計図」(https://kakuyomu.jp/works/1177354054919188524)では取り上げていなかった作品たちをピックアップしていこうと思います。
「テーマ」やら「狙い」、「実験」……そして「反省点」など、今だからこそ分かることがあるので、記録するという意味でも、エッセイとして残しておこうと思いました。
ダラダラと書くことではないのでシンプルに、短くまとめようと思います。
数年前のものばかりなので、覚えていない部分も多いですし、覚えている限りで(当時は深くは考えていなかった「狙い」を、後付けで与える部分もあります)作品のあとがきという形に整えられたらいいな、と思います。
これはおまけですので、これを単独で作品とすることはないです。
「頭の中の設計図」は『ジャンル:あとがき集』でしたが、今回のこれは短編集の中の一話(もしかしたら分割するかもしれませんが)になります。
多作で、しかも短編集まで追ってくれた方だけが読めるエッセイという立ち位置で。
もしかしたら初見で引き当てる人もいるかもしれませんが。
というわけで、はじまりです。
「アビリティ・ランキング:旧世代伝説」
https://kakuyomu.jp/works/16816452218319619005
処女作です。
生まれて初めて書いた作品(……会話だけの作品はこれの前に書いたことがありますが、それを小説とするのはちょっと違うので、この作品が初です)
――「能力バトル」「冒険」を詰め込みました。
昔からなんとなく、寝る前に頭の中で考えていた妄想を、できる限り反映させたものです。この作品の大きな要素として「順位」がありますが、私が好きな作品に同じキーワードがあったから取り入れた、という面もなくはないですが、元々「順位」は好きだったわけです。
敵であれ味方であれ、組織だったり、周りにいた有志がひとくくりにしてしまった集団だったり……、そのメンバーの序列というのはワクワクするものです。
順位が上だから必ずしも下位の者が負けるわけではない、など……強さを示す順位なのかどうかもはっきりしていなければ分からないわけですしね。
順位が変動するのか、しないのか……、私が知る作品では固定のものが多かったので、じゃあ自分は度々変動するものにしようと。主人公側が徐々に順位を上げていく、という成長も、視覚で分かるのは良かったのかもしれません。
そして冒険がしたかった……!
書いた当時は異世界での冒険ものが多かったので(もしくはゲーム世界)、そこと差別化を狙うためにも「現代で冒険もの」を意識しました。
舞台は上野だったり秋葉原だったり、当時はよく遊びにいっていたので自然と選んだ感じですね。絶対にそこじゃないといけないわけでもなかったですし……、たとえば渋谷でも新宿でも良かったわけですから。
舞台に「そこであるべき」理由をつけなかったのは、処女作なので忘れていたのです。まあ、舞台なんてどこでもいいと思っていたのでしょうね。
今なら架空の場所にするでしょうけど……。
現代ではありますが、異世界やゲーム世界の要素が現代へ持ち込まれた設定にしています。
「全人類・能力者」がまさにそれ。
他にもドラゴンが空を飛んでいたりもしますし。
能力者になった段階で自身の順位が決まり、自分よりも上位の能力者を倒せば自身の順位が上がる……、それを繰り返し、一位を目指していく、というのがコンセプト。
実際は二位が最高であり、一位は現代を『能力者のサバイバルゲーム』に変えた張本人である謎の男になります……この謎の男を倒すことが目的です。
処女作なのでかなり粗が多いですが……自作の中では最も勢いがありテンポも良い。サクサクとお話が進んでいくので、まあ読みやすいのかなあ、とは思います。
細かいところを気にし出したらきりがないくらいには、ツッコミどころは満載ですが……実際、カクヨムでは作品フォローが最多です(記事公開当時)。
……どうして? が、未だに分からないのでなんとも言えないですが、最多話数だからですかね? それとも最近の作品が冗長なのかもしれません。
「冒険」「探索」「捜査」がメインなので、文字数は多くなりやすいので仕方ないですが……。
反省点としては、主人公の能力が「キセキ」というところ。
これ、リメイク版の「新世界の双璧」では修正しているのですが、「キセキ」という能力が、まあ都合が良いというか……、作者次第でなんとでもできるんです。
全部そうだろ、とは思ってしまいますが、能力にも設定があり、その設定の中で、制限されながら戦わないと、主人公側が圧倒的に有利になってしまうわけですね。
ピンチもピンチに見えなくなってしまう……、もちろん、どうせ逆転するんだろうとは分かっていながらも、制限の中でどう逆転するのか? を意識しないと、ハラハラドキドキを生み出せないわけです。
で、その点で言うと、「キセキ」はいつでも逆転できるし、いつでもピンチにできるので……かなり強い能力です。
作中でも例外と言われていますし……、終盤でその能力の秘密が明かされるわけですが、ネタバラシをされてもやっぱり都合が良過ぎる能力だったなあ、と反省。
百話以上も書いていながらですけどね……。
リメイク版では逆転するにも一苦労、という方に舵を切っています。
ただ、これはこれで逆転どころか普通に勝利するのも難しくて、頭を抱えたことが何度もありますが、恐らくこれが本当の戦いなのだなあ、と実感しています。
ヒロインについて。
同い年で、ちょっとだけお姉ちゃん、という位置です。
主人公が子供っぽいだけなのかもしれませんが……、処女作のヒロインにこれを選んだあたり、マジの好みって感じもしますね。
多作なので、これまで書いてきたヒロインも多いのですが、年上、同い年、年下……、書いていて気分が乗るのはちょっとお姉さんタイプ。
ただし、年上でお姉さんだと当たり前なので、年下でお姉さんのような振る舞いをする、もしくはお姉さんのような一面が顔を覗かせる、というあたりが最高。
よしよし、と頭を撫でてくれるようなタイプではなく、間違ったことをすれば、仁王立ちで説教をしてくれるタイプですかね……。
まさに「旧世代伝説」「新世界の双璧」では、ヒロインはそのイメージです。
説教した後で、「分かった?」なんて聞いてきて、こっちが頷くと「よくできました」と笑いかけてくれる――、ルールに厳しい委員長タイプもこれに当てはまるのでしょうか。
次点で、すぐにふざける、そして厄介ごとを抱え込んでくる後輩キャラも書きやすいです。
「新世界の双璧」で登場したサブヒロインの新キャラはこれ。
厄介ごとを持ってき過ぎて、彼女がいないとストーリーが進まない、とも言えました。
年上でお姉さんだと物足りないですけど、年下で厄介者はがっつりはまるんですよねえ……、後ろで見守ってくれるよりも、前へ出て突き進んでくれた方が、主人公も動きやすいからかもしれません。
そんなわけで「旧世代伝説(リメイク版:新世界の双璧)」でした。
https://kakuyomu.jp/works/1177354055020106341
次回は「このマッド・サイエンティストめっ!!」になります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます