第6話 未知の金属

 異世界には、オリハルコン、ミスリル、ヒヒイロカネ等、我々の世界にはない金属が存在します。


 しかし、これは以前に紹介した周期表と矛盾しています。


 金属は単体、つまり金属元素のみからできている物質であり、周期表には全ての元素が載っています。


 ところが、この周期表のどこにもオリハルコンやミスリルといった金属の名前は存在しないからです。


 この矛盾を解決するには、以下の4通りが考えられます。


1 発見や加工が困難であった金属の別称


 例えば、アルミニウムは1825年、デンマークの物理学者エルステッドが塩化アルミニウムからカリウムアマルガムにより還元する方法で初めて分離に成功し、発見された当初は金や銀と同じくらい貴重なものでした。


 タングステンも発見されたのは1783年のことで、融点は3380度と全ての金属の中で最も高い為、加工には高度な技術が必要です。


 しかし、我々の住む世界とは異なった歴史を歩んだ異世界では、魔術や錬金術、はたまたエルフやドワーフ等に伝わる秘術で、これらの金属は発見されており、加工も可能なのかもしれません。


 そして彼等の言葉で、それらをオリハルコンやミスリルと呼んでいるのではないでしょうか。


2 実は単体(純金属)ではなく、合金である。


 2種類以上の金属元素、あるいは金属元素と非金属元素から成る金属様のものを合金といいます。


 現在、我々の生活に欠かせない身近な合金はステンレスやジュラルミンです。


 主な原料である鉄やアルミニウムをそのまま使うよりも、錆びにくい、頑丈である、等の特性で役に立っています。


 ダマスカス鋼(ウーツ鋼)のように、オリハルコン(銅系の合金とも考えられている)も、こちらの世界では製法が失われた合金なのかもしれません。


3 魔力や魔素といった未知のエネルギーが影響する


 魔力や魔素といった未知のエネルギーを帯びた金属は、元の金属と異なる性質を持ち、それがミスリル(まことの銀、とも呼ばれる)やオリハルコン等と呼ばれているのかもしれません。


4 そもそも我々の住む世界(宇宙)とは、物理(化学)法則が根底から異なる。


 これには、もうお手上げです。


 金属についてだけでなく、他の知識や技術も役に立たない可能性があります。

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転生、転移系の小説を書くときに、知識チートで使えそうな知識と技術 別府 @beppu81

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