やり直す世界。
第10話 独りが怖い。
マジでありえん。
どうしてこうなる?
そう思いながら帰宅をし、帰宅途中で子供が1人なのを心配してきた自衛官に「朝起きたら子供になっていた」と説明したら東京病に隠れてある朝子供になる子供病が一部で流行っているから医者に行けと勧められて帰宅と同時に医者に行き、3日の投薬で元に戻った。
そして社会復帰して直ぐにフリーだと知った今の彼氏から告白をされてOKと同時に彼氏の家に住み着いた。
先に帰宅した私は彼氏の家で彼氏の帰宅を待ちながらニュースを見るとニュースから流れてくるのは東京病の続報と時折公益社団法人のCM「子供病は投薬治療で治ります」と言うある朝起きたら子供になっている人間が慌てるところから始まって、子供として人生をやり直そうとしないようにという内容のCM。
私もまさか薬で治るなんて思わなかった。
原因は不明。
もしかすると東京病のウイルス以外にも未知のウイルスが来ていたのかもしれないし、もっと不思議なスピリチュアル的な何かかも知れない。
投薬治療と言っても、医師が処方出来る割とキツめの風邪薬で、市販品だと必要成分が足りずに子供病は治らないらしい。
元々はかかりつけ医に相談した患者が風邪を引いていて、医者が体型で判断して子供なのか食欲なんかで判断して大人なのか悩み、大人用を処方した所大人に戻ったのが始まりだった。
子供病、あの朝は驚いた。服はスカスカで何も届かない子供の姿。
ご飯を買うにも1000円ひとつ使えない。
唯一の肉親の母は後でわかる事だが新作彼氏が住む神奈川県に居たし頼りにならない。
色んな知人友人を思い浮かべたが助けてくれそうな人は1人しかいなかった。
霜月 清明
バイト代を遊ぶことではなく生きる事に使う為にバイトに来ていて、同じ使い道に仲間のような意識を持ってしまった男性。
私は物持ちが良い…否、物を捨てられない母に感謝しながら昔の服を引っ張り出して清明の家に飛び込んだ。
清明は私を見て驚いたがすぐに受け入れてくれた。
優しい言葉と態度は遠い昔に亡くした父を勝手に思い出して甘え倒す。
清明は嫌な顔ひとつせずに全てを受け入れてくれた。
そして始まる東京病の都市封鎖。
もうこの頃にはこのまま清明と居たいと思っていた。
だが隔離施設に後から来た清明の母と妹によってそれは壊される。
清明の母は話で聞いた以上のクズだった。
清明の心配はしないのに清明には自身の心配をしろと迫っていた。
ウチの母親もおかしいが母は私の心配もロクにしないが、私に心配しろとは言わない。
その親が清明の妹を見捨てようとして清明は見捨てられないと言って妹と隔離施設に残る事を選んだ。
私は行かないで欲しくて何度も戻ってと声をかけたがダメだった。
悲しいこの時の思い出はテレビを見なくても思い返す。
彼氏が帰ってくる前に部屋を少しかたそう。
流石に仕事はしているが何もしないのは気が引ける。
片付けるとベッド脇から昨晩使ったダース買いしてある避妊具のゴミが出てくる。
今の彼氏は性に関してはケダモノのような男で必ず毎晩と言っていいくらい、不調時以外は求めてくる。
その結果のようなゴミを見ているといつも何とも言えない気持ちになる。
清明とは何も無かった。
まあ5歳児の身体で何が出来るかと言う話だし、私が心配すると清明自身もそれを口にして呆れながら優しくしてくれた。
だが今の彼氏を見ていると5歳児だとしても性を理解できるのならと何かしら求めてくるだろう。
先日、隔離施設から帰ってきた清明に会った。
彼氏とのことは食事中に「バカ清明が私を選ばないからだよ」とだけ伝えた。
清明は謝っていたが今回ももう遅い。
独りが怖い私は清明を待てずに彼氏を作ってしまった。
その場には妹の水月ちゃんも居て3人で家族のように過ごす。
隔離施設での生活で清明に懐くようになっていた。
帰り際、駅まで来てくれた清明と水月ちゃん。
別れ際に水月ちゃんと握手をした時、自身の娘ならここで別れずに3人で暮らせたのにと思うと抱きしめずには居られなかった。
本気の抱擁。
清明との子供を抱きしめてみたかった。
そんな事を思い出しながら片付けが終わる頃、彼氏は仕事から帰ってきた。
そして今晩も変わらず私を求めてから眠りについた。
朝、早朝会議があって先に出ていく彼氏を送り出した私は仕事までの間に片付けを行って出てくる生々しい避妊具のゴミを見て何とも言えない気持ちになっていた。
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