第27話
「ルイ様、おはようございます」
はぅ!
朝からティアの笑顔が眩しすぎるだろ!
それに!
今日の服装は町娘をイメージした質素なワンピースに見せかけているど、服装変えたぐらいじゃ駄目じゃないか!
全然ティアの美貌は隠せてない!
狙われる!
ちょっとでも離れたら連れ攫われる!
どうするんだよ!
・
・
・
!!手を繋げばいいじゃないか!!
そうだよな?今日は世間でいうデートってやつだもんな!
テンション上がる~
朝食が済み次第出発だ~!
なんで?
なんでなんだ?
赤髪と、緑髪がティアの手を引いて案内してるんだけど!
ティアが喜んでるのはいいんだ!可愛いから!
はしゃいでるティアも可愛い!
でも、なんでなんだよ!
「2人とも毎年家族で避暑に来てるんだってさ」
「案内は任せてって言ってたしな」
「俺は聞いてないぞ!」
「いや朝食の時言ってたじゃん」
「ティアリーゼ嬢のことガン見してたもんな」
ガン見って、そりゃ目の前にティアがいたら見つめてしまうのは当たり前だろ?
「もうちょっと、周りの話も聞けよ」
確かに、聞き逃したばっかりに手繋ぎデートの予定を逃したのか・・・
ま、今日は仕方ないな。あんなに喜んでるんだもんな。
「それより3人ともすっげー注目集めてるな」
「可愛いもんなベルベリット嬢」
「それを言うならマリー嬢だってかなりの美人だぜ」
はあ?
「ティアが1番可愛いくて、美人じゃないか!」
「もうそれでいいから、3人から目を離さないようにしようぜ」
「そうだな。さすが公爵家だよ。護衛が結構な数ついてるよ」
それには気づいてたけど近くにいるのは俺たちだし、何かあってもティアは俺が守るぜ!
王都に戻ったらデートに誘ってみるか?
もちろん、2人きりで!
誘っても嫌がられないだろうか?
結構アピールしてんだけどなぁ
うん、毎日ティアに朝起きてから晩まで一緒にいられるのは嬉しい。
ただ、俺の計画とはかなり違った。
だってさ、ずっと6人で行動だせ!
ティアの側には常に2人の友人がいるんだぜ?
いつ2人っきりになれるんだよ!
港町に行った時も、それはそれは綺麗な湖にピクニックに行った時も、目が合えばニッコリと笑顔を見せてくれるし、当然会話も普通にしてくれる。でも、隙がないんだよ!
確かに休暇前よりも気さくに話せるようになったさ!
でもそれはライアンも、ダンゼルも一緒じゃないか!
アイツらと同じレベルってことか?
いつ間にかライアンは赤髪のことを「マリー」と呼び捨てになってるし、ダンゼルだって緑髪を「ベル」って愛称呼びになっている。それはいいんだよ。
だって俺は最初から愛称呼びだったしな!
さすがの俺も髪色で判断してたが1週間近く一緒に行動してたんだ、興味がなくても顔と名前は覚える。
それにティアを通して長い付き合いになるだろうからな!
でも!
明日には王都に帰るんだよ!
約束の滞在期間も終わりなんだよ!
マリー嬢とベル嬢はまだ残る予定だというのに!
来年の長期休暇も絶対にここに来よう!
それまでにティアにもっと意識してもらえるよう努力しよう!
1週間なんて本当あっという間だよ。
王都に帰る俺たちをティアとマリー嬢、ベル嬢の3人が見送ってくれた。
学園が始まるまで会えないのか・・・
王城に着くと、兄上とレオンが出迎えてくれた。
「楽しかったかい?」は兄上で
「思い出作りは出来たましたでしょうか?」はレオンだ。
「無理を聞いていただけて感謝ます。とても楽しく過ごせました」と伝えた。
何か言いたげな兄上はレオンをチラチラ見ている。
「それはようございました。どうかその思い出を忘れなきよう」と一礼しレオンは去って行った。
兄上は何か言いたげな表情をしていたが、「ゆっくり休め」とレオンに続いた。
意味深な言葉に過去のレオンにボコボコにされた出来事が思い浮かんだが、疲れているのもあり自室に戻った。
まだ、この時の俺はレオンの言葉の本当の意味を理解していなかった。
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