第7話

今日は俺がこの学園に入学してちょうど1年がたった。

今年こそあの時の彼女に会えることを願って入学式を待った。


朝一番に校門が見える教室の窓から新入生の乗った馬車が次々に入ってくる様子を眺めていた。


その時、アスパルト家の馬車からレオンに続いて銀色の髪がサラリと見えた。

考えるより先に体が動いた。

門に向かって全力で走っているなかピンクの何かにぶつかったが「ワルい」と一声かけて走った。

間違いない!あの時の彼女だ!

嬉しくて、嬉しくてもっと早く走れないのかと思いながら走った。


たどり着いた時には周りには遠巻きに令嬢だけでなく令息たちもうっとりとレオンと彼女の後ろ姿を見つめていた。

レオンを遠巻きに見つめる令嬢たちの姿は毎回のことだが、令息たちまでが見つめるのはやっぱり彼女だと、体が震えた。


「レオン」大きな声で呼んでしまった。

すぐにレオンは振り向いだか、いつも無愛想なレオンがニッコリと笑っことで動けなくなった。

え?あのレオンが笑ってる?

周りの令嬢たちの黄色い悲鳴も聞こえたが、そんなのどうでもいい!


俺を見てくれ!

キミの顔を見せてくれ!

俺にあの笑顔を!

もう俺は必死だった。

その時ゆっくりと彼女が振り向いた。

銀色の髪がサラサラと揺れて紫色の瞳と俺の目が合った。

時間が止まったかと思った。

なんの音も聞こえない。

呼吸の仕方も忘れた気がした。


彼女がカーテシーをしたあと、レオンと去っていくまで動けなかった。


4年前よりも遥かに美しくなっていた。

銀髪に大きな紫の瞳、肌も真っ白で清楚で、

可憐で華奢だけど、手足も長くこんな綺麗な人誰もが惹かれずにはいられない。


この日2度目の一目惚れをした。

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