第8話 ティアリーゼ視点
わたくしはディアルガ王国筆頭公爵家令嬢のティアリーゼと申します。
今日この国の王立学園に入学します。
わたくしはほとんど外に出たことがなく、友達もいないため不安ではありますが、大好きなお兄様と一緒に学園に通えることになり、喜び半分、不安半分と少しドキドキしてこの日を待ちわびでおりました。
館から学園まで馬車なら20分もかからず着くため我が家は馬車通学です。
学園には遠方の領地からも貴族の方が通うため寮も完備されているそうです。
今日の入学式で新入生代表挨拶を頼まれましだか、人前に出たことの無いわたくしがやり遂げられるのか不安です。4年前にお兄様も代表挨拶をされたと聞きちょっと気持ちが楽になりました。
馬車の中ではお兄様が「絶対に1人になってはいけないよ」「何か嫌なことがあればお兄様に言うんだよ」なんて、しつこく言われましが、誰もわたくしのことを知ってる人がいないので誰からも声をかけてもらえないから大丈夫と伝えてもずっと心配そうにしていました。
学園に到着して馬車から降りると、皆様の動きが止まったかのように見えました。
これは!わたくしはピン!ときました。
眉目秀麗なお兄様に皆様が見蕩れてる!と思いましたが、令息たちまでが動かなくなったことで、お兄様の魅力は男性も女性も関係ないと思いさすがわたくしの自慢のお兄様だと嬉しくなりました。
その時少し離れたところから「レオン」とよぶ声が聞こえわたくしも何となく振り向くと、黒に近い青い髪に瞳が金色の凛々しい男性が立っていました。
お兄様の知り合いだと思いカーテシーで挨拶した後は、お兄様に促され入学式会場のある講堂まで連れて行ってもらいました。
さて、新入生代表挨拶も無事に済みホッとしたところ「ティア」とお兄様に呼び止められ
1年の教室までエスコートしてくれました。
お兄様!完璧です!大好きです!
お兄様は「気をつけるんだよ、何かあったら4-Aクラスまで来るんだよ」
と言いながら額にキスをして自分の教室に戻られました。
は!最初が肝心だとニッコリして挨拶しましたが、皆様固まって挨拶を返してくれる人はいませんでした。
でも、めげません!この学園に在学中に一生付き合えるかけがえのないお友達を作ることがわたくしの目標です。
それと、わたくしも15歳なので、そろそろ殿方ともお知り合いになりたいと思っています。
お父様とお母様の出会いもこの学園だったそうで、今でも仲の良いい2人はコッチが照れるほど暇があればイチャイチャしてます。わたくしの理想の夫婦です。
まずは異性のお友達も欲しいな。
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