第16話 共同戦線
「さて……それじゃ、今度こそ『協力関係』について話し合おうかい。おっと、その前に……」
天幕の下、ウィーゼルはそう言って頭にかぶっていた黒い兜を地面に放り投げ、奥からガートルードのものであろう白い兜を取り出し、自分の頭にかぶせた。
「改めて挨拶しよう。月光騎士団、白の騎士を代行するウィーゼルだ。団長と違って、俺は柔軟なんでね……今は土下座してでもあんた方の力を借りたい。まあ、そっちも生き残りたきゃ俺たちが必要だろうがな」
こちらを振り向き、にやっと笑いながら言うウィーゼル。確かに、ローエングリンの狙いが月光騎士団ではなく俺たち冬寂騎士団だとわかった以上、今はどちらかといえばこちらの方がヘルプを頼みたい立場だ。
それにしてもこの男、上司が死んだ途端、妙に生き生きしているように見えるのは気のせいか。
「そうらしいわね。……あれは、放っておいていいの?」
ヴィバリーは涼しい顔で返事してから、天幕の端をアゴで示した。
そこには、布をかけられたガートルードの死体と、ある意味いつも通りの狂気じみた顔でその横にしゃがみこみ、何かぶつぶつとつぶやいているジェミノクイスがいた。
「団長のことか? ジェミノクイスに任せておけばいい。あいつがなんとかする。そのために連れ回してるんだからな」
「なんとか、って……」
思わず怪訝な声を出す俺。まさか、この状態から治療するつもりなんだろうか。
いくらジェミノクイスが傷を治せるといっても、ガートルードは明らかにもう死んでいる。その上火だるまにされて――俺には直視できなかったが、人の形が残っているかも怪しい状態だ。サヴラダルナでさえ、俺を含めて完全な蘇生はできなかったのに。
俺のつぶやきに、ウィーゼルはふーっと長いため息をついた。
「……信頼を築く第一歩として、こちらの手の内を明かしておくか。ジェミノクイスは特殊な魔術師でな。あいつの魔術は、ガートルードがどんな状態だろうと完全に治癒することができる。腕をもがれようが、頭を吹っ飛ばされようが……最悪、肉片一つからでも、ガートルードの体を再生することができる。あの程度なら、二日もありゃ元どおりになるだろう」
そんな、反則じみた回復魔法があっていいのか。いや、ゲームでなら「蘇生して全回復」なんて魔法はなくもないが、現実にそう言われると、自然の法則を歪めまくっている感が半端ではない。一回死んでる俺が言うのもなんだが……。
「その代わり、あいつはガートルード以外の人間には何もできない。かすり傷一つ治せないし、危害も与えられない。ま、だから今は無視していいってことだ。二人っきりにさせといてやれ」
意地の悪い笑みを浮かべるウィーゼル。その説明を聞いて、ようやく俺も少し腑に落ちた。反則じみた回復力の代わりに、相手が限定されてるわけか。よくある漫画の設定みたいだが……彼女のガートルードへの執着ぶりを考えると、納得もいく。
この世でただ一人のためだけに存在する魔術。ガートルードが「永遠に負けない」という言葉は、文字通りの意味だったのだ。ジェミノクイスがそう望まない限り、彼女は死ぬこともできないのかもしれない。
「承知したわ。それで、これからの策はあるの?」
「それなりにな。だが、詳しいことはあんた方の話を聞いてからだ。今や、俺たちは運命共同体だ。隠し事はなしでいこうぜ。さもなきゃ、全員ここで死ぬ。それは望みじゃなかろう?」
ウィーゼルは探るようにヴィバリーの目を見た。ヴィバリーはにらみ返したが、そう長いこと意地を張りはしなかった。いがみ合ってたガートルードはとりあえず死んだし、どのみち、お互いに選択肢がないってことは俺にもわかる。
「……いいわ。私たちの目的、それぞれの能力を隠さず話す。その代わり、そちらの話も聞かせてもらう」
「よし、よし。やっぱり、人間同士だと話が早いな」
くくっと笑って、ウィーゼルは転がったガートルードの死体をにらんだ。その目つきは、ただ嫌な上司を見るよりも、もっと重い感情がこもっているようだった。
「はぁ……なるほど。謎の魔術師の調査、ねえ……」
話を聞き終えて、ウィーゼルはぽかんとした顔で頭をかいた。最初の印象はわりと若い感じに見えたのだが、こうして近くで見ると、かなりおっさんくさい。30過ぎなのは間違いなさそうだ。
ヴィバリーは「隠さず話す」と言いながらも、異世界のことについては全く触れず、ただ「フユコという謎の魔術師の調査をしにきた」という説明に終始した。さすが、二枚舌というかなんというか。
「彼女の存在がどういう意味を持つのか、なぜそれほど重要なのかは、知らないし知るつもりもない。私たちは報酬のために、イクシビエドが望む通り動いているだけだから」
素知らぬ顔で言うヴィバリー。実際、彼女が――いや俺たちがどれぐらいの報酬をもらうことになるのか、そういえば具体的な数字を聞いていないが、きっと相当な額ではあるのだろう。
「なるほど。さっぱりわからんが、まあ、わからんなりに腑には落ちたよ。その魔術師、フユコとやらがローエングリンの守ろうとしてる主人ってわけか。そいつの妹ってことは、よっぽどの子供だろ? あいつも趣味が変わったもんだな」
茶化して言ってから、ウィーゼルは値踏みするように俺をちらりと見た。
なんとなく、居心地が悪い。同じ黒騎士でも明らかに戦い慣れしているこのおっさんと比べてしまうと、自分の役に立たなさが強調されるみたいだ。
「……こちらの情報はこれで全部よ。次はそちらの番」
ヴィバリーに促され、ウィーゼルは肩をすくめた。
「俺たちの目的は、もう知ってるだろう? ローエングリンを狩る。どんな代償を払おうとな。あいつの首を持たずに帰るなと、国王陛下からのお達しでな」
「なぜ、そこまで執着を?」と、ヴィバリー。ウィーゼルはやれやれと溜息をつく。
「あんた方独立した騎士団と違って、国に属する騎士ってのは、お偉方が自慢しあうための玉杯みたいなもんだ。一人で騎士団一つぶん以上の価値を持つローエングリンは、長いこと国王陛下の自慢の種だった。それが勝手に逃げ出したとなれば、面子は丸つぶれだ」
飄々と語るウィーゼルに対し、ヴィバリーは首を横に振った。
「国の話をしているわけじゃないわ。あなた個人が、彼女に執着する理由よ。個人的な関わりがあったのよね?」
そう問われて、ウィーゼルの顔から斜に構えた笑みが消えた。言われてみれば、さっきの戦いの最中、ウィーゼルとローエングリンは妙に親しげに話し合っていたっけか。
「……ああ。まあ、隠す理由もなかろう。俺とローエングリンは、つい先日まで家族をやっていた。つまり、俺はあいつの夫だ」
「夫……!?」
と、思わず声に出してしまう俺。フンと鼻を鳴らすウィーゼル。
「国の外なら笑われることもないと思ったが、そうもいかんか。馴れ初めまで語るつもりはないが……10余年、共に暮らした仲だ。あいつが死なねばならんのなら、俺が自分の手で殺ってやりたい。それだけのことだよ」
人間とエルフの結婚――普通のファンタジーならまあありがちな話なんだろうが、この世界でのエルフの身体的特徴を考えると、色々とモヤモヤする話だ。いや、霧の中でうっすら見えたものが確かなら、ローエングリンは違うのか……?
悶々とする俺を横目に、ヴィバリーは冷たく話を進める。
「そう。つまり、いざという時に情が湧いて殺せない可能性があるということね。覚えておく。次は、カナリヤのことを聞かせて。彼女の武器、あれは何なの? この戦いで役立ちそう?」
辛辣なことを言いながら、さっさと次の話題に移るヴィバリー。
「ああ、気になるよな。あれはドウォフの……」
「ウィーゼル!」
話題が自分から離れたせいか、心なしか気安い口調に戻ったウィーゼルを、カナリヤが鋭い声でとがめた。
「勝手に人のことまで話さないで。臨時代行のあんたに、そんな権限ないわ。私はこいつらに手の内まで明かす気はないし、こいつらが私たちに全部明かしてるとも思えない」
鋭い。実際、俺たちはまだ隠し事をしているのだし。
「疑り深い奴だねえ。赤ってのはどこもそういうもんかね? そっちの赤は素直そうだが……」
ウィーゼルがちらと、うちの赤騎士ことユージーンを見る。ユージーンは、いつのまにか俺たちのそばを離れて、カナリヤの隣に立っていた。相変わらず自由だ。
「近寄るなよ、エルフ」
カナリヤは口では邪険にしつつも、至近距離で興味深げにじろじろと見るユージーンを、避けるでもなくじっと立っていた。
「まあ……今はローエングリンを殺すことが最優先目標だ。武器に関する情報は、カナリヤが何を言おうがそちらに渡す。ただし、それ以外の秘密については……お互い見て見ぬ振りといこうや」
その言いぶりからすると、向こうにも何かまだ隠し事があるようだが。ひとまずはそれで交渉は成立した。カナリヤはウィーゼルの提案にむすっとしながらも、それ以上食い下がりはしなかった。
「……聞くべきことは聞いたな。あとは少し、俺の方で具体的な策を考えさせてくれ」
情報共有が済んだところで、ウィーゼルはそう言って会談を打ち切った。ヴィバリーはもっと迅速な行動を期待していたのか、怪訝な顔で眉を寄せる。
「そんなに悠長なことでいいの?」
「ローエングリンは辛抱強い女だ……最大戦力であるガートルードを落とした今、焦りはしない。俺たちが消耗し、弱点を晒すのをじっと待つはずだ。二日でも三日でも、一週間でもな。こちらもどっしり構えて、罠を張って待つ」
そういえば、さっきカナリヤも「持久戦になる」とか言っていたっけ。最初から、こういう状況になることをガートルードはすでに見越していたのだろうか。それとも、参謀役らしいウィーゼルの判断だったのかもしれない。
「……そう。判断はあなたに任せるわ」
ヴィバリーはうなづいて、天幕から外に出た。俺も後を追って外に出る。まだ日は高い……午後過ぎってところだろうか。篝火に囲まれていても、安心感はない。ウィーゼルはああ言ったが、いつまた「あいつ」が襲ってくるかと思ってしまう。
「なあ、ヴィバリー。つまり、あのローエングリンは……冬子の……仲間、なのか?」
答える前に、ヴィバリーは天幕の中を振り返って、ウィーゼルの姿を見る。ウィーゼルは何やら道具や武具を広げて、ぶつぶつ独り言をしているようだ。こちらの話を聞かれていないと判断したのか、ヴィバリーは改めて俺の方を見た。
「……おそらくは。不可解なことが多すぎて、確かなことは何も言えないわ。彼女があなたと同時期に現れたのだとして、どうやってこんな短期間のうちに味方を作れたのか? しかも、千年王国の内部に……」
言われてみれば――イクシビエドの話だと、冬子はここから西の地に出現したということだった。千年王国に行ったとか、瞬間移動したって話は聞いていない。まあ、キスティニーみたいなやつのことを考えれば、物理的な距離など関係なさそうだが――
「キスティニーが、手引きしたとかってことは……?」
俺の思いつきに、ヴィバリーは首を横に振った。
「確かに、あれは信用できない相手だけど。イクシビエドを相手にそんな見え透いた自作自演をするかしら……まあ、詳しいことは今はいいわ。それより、私もこれでやっと少し、イクシビエドが彼女を気にする理由がわかった気がする」
「理由……?」ぽかんとする俺。
「ローエングリンが言葉通り、フユコの配下なら……彼女はすでに、この大陸でも有数の武力を手中にしたのよ。一人で二つの騎士団を退ける魔術騎士。人間にとっても、魔術師にとっても脅威になりうる」
……そう言われても、俺にはあまり実感がわかなかった。
俺の知ってる冬子は、ただの夢見がちな子供か、無口な引きこもりだ。街を滅ぼすとか、喧嘩をふっかけるってのはそぐわないような気がする。それを言えば、そもそもあいつが「仲間」を作るってのも違和感があるんだが……
でも、確かに――ローエングリンは俺たちを名指しで殺そうとしている。それはもう、疑いようがないことだ。
「あの様子だと、ローエングリンは彼女に心酔しきっているわ。もし、フユコの魔術が他者を意のままにするような力なのだと仮定して……他の騎士や魔術師をも仲間に引き入れる力があるんだとしたら。彼女はいずれ、
「……よくわからん」
俺は正直に言った。実際、想像もつかない話だった。この世界の連中にとってどれだけ謎めいた不気味な存在だとしても、俺にとっては結局、ただの妹だ。
さすがにオムツ時代は俺も小さかったから覚えてないが、幼稚園ぐらいのことは覚えてる。小さい、無力な生き物だったころ。記憶にある限り、あいつは絵本を読んでるか、寝てるかだった。寝て起きては、夢に見た話を俺に言って聞かせた。俺は適当に聞き流していたっけ。
「まあ、ここに来て日も浅いあなたに、世界情勢まで考えさせるのは酷ね。二十数年生きてるアンナだって、この手の話は全然だし……それじゃ、あなたの心情を聞かせて。妹に命を狙われる気分はどう?」
俺が凹みかけたところへ、無神経な質問を投げてくるヴィバリー。こいつの場合、嫌がらせとかじゃなく本当に興味本位で聞いてくるのがタチ悪い。しかも、さらっとアンナの実年齢をバラしやがった。
「まあ……そういうこともあるかもなって思うよ。そんなに仲良くなかったし」
その上、殺された相手なのだし。仕返ししたくもなるだろう。むしろ、当然の復讐だ。あくまで一般論であって、引っ込み思案のあいつらしくないとは思うが。
……いや。俺は冬子の「らしさ」なんて、本当は何もわかってはいないのかもしれない。中学に上がってからは、ろくに話してもいない。あいつが話したがらないからだ、と思ってたけど……本当は俺の方も面倒で避けていた気がする。自分のことで、手いっぱいで……
「そう……兄妹っていうのも、色々あるのね。私は一人だからよくわからないわ。アンナが死んだ弟さんに執着する気持ちも……」
ふうっとため息をつくヴィバリー。なんとなく憂鬱そうな空気だ。
一人っ子で寂しいのだろうか。妹に殺されそうな俺と、弟を殺されたアンナを見て、弟妹をうらやましがる思考はだいぶ屈折してる気がするが。
「まあ、家族って色々あるものなんじゃないか。兄弟姉妹じゃなくても、親子だってこじれたりするだろ。お前も、あの……市長のお父さんと仲良くもなさそうだったし」
そう言いつつ俺は、オーランドの街で会った、朗らかな市長の顔を思い出す。まあ、彼とヴィバリーとの関係は、こじれるというよりは単に親バカと鬱陶しがる娘の図に見えたが。
「……なるほど。面倒臭いものね、家族って」
ヴィバリーは苦い顔をしつつも、気を緩めて笑った。
それから夕暮れ時まで、何事もなく過ぎ去った。
何事もなく、というか……ヴィバリーとウィーゼルは何度もぼそぼそと作戦を話し合い。ユージーンはそのエルフの目と鼻で霧の監視を行い。カナリヤはよくわからないがあれこれ道具をいじったり、篝火のチェックをしたりと、忙しく歩き回っている。
つまり、俺だけが一人何もすることがなかった。まあ当たり前だ。黒の騎士とか大層な役職にはつけられたが、戦力的にも知力的にも、俺は今のところ荷物持ち以上の何者でもない。
まだ若いし1年ぐらい修行すればわりと戦えそうな(根拠のない)自信はうっすらあるのだが、今すぐ強くはなりようがないのだ。と、いうことを、エルフ連中の戦いを見て俺は受け入れた。
というわけで、要するに俺は、することもなくぼうっとしていた。
「あんた、さっきから何してるの」
紫色の空を見上げていると、背後からカナリヤの冷たい声が聞こえた。冷たいというか、ぶっきらぼうというか。つまりは俺に全く興味がない声だ。まあ、女子から興味を示されないことには慣れている。
「……ぼうっとしてる」
正直に答える俺。彼女の年頃が近い(ように見える)せいか、あるいはとっくに色々ダメなところを見られているせいか、特に格好つける気にもならなかった。
カナリヤはさっさと立ち去るかと思ったが、まだ後ろに立ち止まっていた。
「まあ、見ればわかるよ。どうして、素人がよりによって『黒』をしてるの?」
見ればわかることをなぜ聞くんだ。そして、どうしてと聞かれても俺にもよくわからない。
「俺はまあ、なんていうか、名前だけって感じで……話せば長くなるけど、オマケでついてきてるだけなんだ。黒って、そんな大事な役割なのか」
俺の素朴な疑問に、カナリヤは目を細めて答える。やはり、不思議な目の色だ。
「黒は、基本的に騎士団の二番手がなるものだよ。白が死んだ時は、黒が次の白になる。常に白の背後に立ち、その道を正すのが黒の役目」
……ヴィバリーのやつ、マジで何も俺に説明せずに「黒」にしやがったんだな。まあ、俺が騎士団長になれって言われても無理な話だし、言われても困っただろうが。
「とはいえ、月光騎士団は白が『死なない』から例外だけど。あ、そういえばあんたも死なないんだっけ?」
「……多分、あいつほどじゃないけどな」
と、ガートルードを視線で示す俺。布がかけられた死体は、昼間より少し大きくなっているような気もする。ジェミノクイスの魔術で、体が戻りつつあるんだろうか。
「じゃあ、死ぬ可能性はあるわけだ。なのに、わざわざ騎士団に入る? 死にたがりなの?」
ずけずけと突っ込んでくるカナリヤに、俺は少しムッとする。
「自分だって騎士団のくせに。やることがあるんだったら、俺と話してないで仕事したらどうなんだ」
言い返されたのが意外だったのか、カナリヤはフードの下で少し目を見開いたようだった。かといって怒るでもなく、フムとうなづく。
「……私は、目的があって騎士をしてるから。仕事なら、さっき済ませた。今は休んでる」
「だったら、黙って休んでりゃいいじゃん……」
ため息をつく俺。そうは言いつつも、内心それほどこの会話が嫌ではなかった。このカナリヤという少女は、無遠慮だが、なんとなく気安さを感じる。対等に話せるというか……
「あんたは、目的ないの?」
「え?」
「目的。騎士になって、何をするとか。特にないなら、余計なもの背負わされる前にさっさと抜けなよ。どっかのエルフみたいに、死にたがってるわけじゃないんでしょ」
そう言うと、カナリヤはふいと顔を背けて歩き去っていった。
目的……そういえば最初に会った頃、ヴィバリーも言っていた気がする。問題は、俺が何をしたいかだ、とかなんとか。俺は何をしたいのか。冬子をどうしたいのか。改めて考えるうちに、自分の中で徐々に答えが見え始めた。
俺は、知りたい。冬子が今何を考えてて、何をしようとしてるのか。他人の口からじゃなく、あいつの言葉で、ちゃんと聞かなきゃいけない。俺がしたことも……どう思ってるのか。全ては、それからだ。
そしてその目的は、意外にも早く達成されることになった。
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