┣人間関係・洋【幕間】

🔳洋の候補者人物評

「そうだな……知ってると思うが、オレと烏京の試合は熾烈だった。

 ハンデはあったが、お互い死力を尽くした、好勝負だったと思う。

 けど、それを見た他の候補者は、誰一人臆していなかった。

 八百万やおろず 浪馬ろうまは、その場でオレに挑んできた。

 最寄もよろ 荒楠あれくすは、山みてぇに無反応だった。

 宮山みやまたつきって巫女は、最後までまるっきりだった。

 強者つわもの以上の得体の知れなさを、全員に感じたぜ」 

「蓮葉と比べて、どうだった?」

「うちの妹が、一番化け物だよ」

                ──【幕間】魚々島 洋  ー千客万来ー 其の四


🔳烏京

■初戦の後、同盟関係を結ぶ。

「《天覧試合》にあたって、協調の必要を痛感した。

 魚々島 洋──貴様と同盟を結びたい」

                ──【幕間】魚々島 洋  ー千客万来ー 其の五


「まーさか、オレらを暗殺しようってハラじゃねーよな?」

 覆帯越しに、烏京が傲然と笑った。

「だったら──どうする?」

「ま、それもアリか」

 洋も不敵に笑い返す。

 二つの手が、固く結ばれる。


「「──同盟成立、だな」」

                ──【幕間】魚々島 洋  ー千客万来ー 其の五


「しかし──随分と簡単に認めたな」

「同盟の話か?

 候補の連中、どいつもこいつもヤバそうだからな。

 対するオレは、まだまだ腕が足りてない。

 腕の立つ修行相手が欲しいと思ってたから、渡りに船だ」

                ──【幕間】魚々島 洋  ー千客万来ー 其の五


「同盟を組んだ以上、必要な情報は共有する。

 それでいいよな、烏京?」

                   ──【幕間】魚々島同盟  ー手札交換ー


■キック・スターターの縁

「一年ほど前に自殺した岩手県知事──あれも《キル・スターター》の仕事だ。

 目標額は八千万。受けた殺し屋も相当の手練れだったと聞く。

 正体は不明だが──このオレが唯一、手合わせしたいと思った相手だ」

「ああ、そりゃオレだ」

 コーヒーサーバーを手に戻った洋を、烏京はこれ以上ない瞠目で見つめた 

「あ、やっぱりですか。

 洋くん、東北で軍資金稼いだって言ってましたもんね」

「案外、地方でも殺しの仕事には困らないんだよな。

 利権まみれの妖怪揃いで、恨みつらみは都会より根深いくらいだ。

 短期間で稼ぐにゃ、もって来いの環境だったぜ。防犯カメラも少ないしな」

 あんぐりと口を開けた烏京のカップに、熱いコーヒーが注がれる。

「よかったな。夢がかなっててよ」

                   ──【幕間】魚々島同盟  ー手札交換ー


■兄妹の諜報事情を話す

「ちっと理由があってな。

 畔から追放されかけてんだよ、蓮葉は。

 だから、畔の情報網は利用できない……もちろんオレもな」

「つまり──この同盟の情報源は、本当にこの男一人というわけか」 

「そういうこと。当てが外れたか?」

「──そのザマで、よくオレをそしれたものだ」

               ──【幕間】魚々島同盟  ー手札交換ー 其の二


🔳忍野

「──貴様はどうも、忍野に甘すぎる」

「そうかねえ」

               ──【幕間】魚々島同盟  ー手札交換ー 其の三


🔳浪馬

・格下に見ている様子。


「──八百万やおろずもそうだったぞ」

「あれはわかりやすい馬鹿だろ」

               ──【幕間】魚々島同盟  ー手札交換ー 其の二


「不死身、ねえ。どういう理屈か知らねえが、警戒は必要だな。

 正直、候補の六人の中じゃ、一枚落ちると見てたんだが」

               ──【幕間】魚々島同盟  ー手札交換ー 其の四



🔳その他

■かつての相棒ハッカー

「ちょっと待ってください。

 洋くんがその《mizugumo》を使えるなら、私はなんで雇われたんです?」

 当然ともいえる青沼の疑問に、洋の答えは単純だ。

「オレは使えないからな。

 魚々島はそういうのに疎いんだ。畔がやってくれるからよ。

 殺しの仕事の時も、当時組んでた畔が全部お膳立てしてくれた」

「フン──有能なのは、その畔だったというオチか」

「否定はしねえよ。まさに全能神って感じのハッカーだったしな」

「その元相棒さんに連絡は取れないんで?」

「縁が切れちまったからなあ。

 それに蓮葉の件がある。協力しちゃくれないだろ」

               ──【幕間】魚々島同盟  ー手札交換ー 其の二

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