🔳┳人間関係・洋

魚々島 洋の人間関係。


■蓮葉

・妹。兄馬鹿気味。

 彼女の謎を知りたい気持ちと、知りたくない気持ちを併せ持つ。

 妹との実力差を認めており、手合わせを望まない。


 あれだけ練習熱心な洋が、蓮葉と対戦稽古をするのを見たことがないのだ。ヤクザ に喧嘩を売るほど飢えていた洋にとって、願ってもない修行相手だというのに。

                        ──【序幕】選抜、魚々島 洋


魚々島時代を振り返っても、妹に比肩する者は覚えがない。唯一思い当たる相手は、五年前にこの世を去っている。

「《最高傑作》てのも、ハッタリじゃねーなこりゃ」

                     ──【序幕】選抜、畔 蓮葉 其の五


「……まったく、困った妹だよ」

 忍野は、それが杞憂であることに気が付いた。

 妹の髪を撫ぜる洋の背中は、どこまでも嬉しそうだった。

                     ──【序幕】選抜、畔 蓮葉 其の五


■青沼

・情報屋と雇用者の間柄。

 しかし一年のつきあいから、よき理解者として信頼を置いている。

 敬語を使う習慣のない洋が、「さん付け」する数少ない相手である。


 洋くん、と青沼が呼び止める。

「兄に必要なのは、自分が兄という自覚だけですよ」

「……あるじゃねーか、情報」

「今、思い出したんですよ」

 青沼は片目を閉じ、立ち上がる。

 洋とのつきあいは、もう一年にもなるのだ。

                ──【序幕】魚々島 洋 —海と山と— 其の二


■文殊

・軍師としての才能、一年近く挑み続けた根性を高く買っている。

 一般人ながら洋の認める、数少ない相手。


■忍野

・生真面目な性格を気に入る。


「それに──イケメン嫌いなオレだが、どうもあんたは嫌いになれねえ。

 クソ真面目で剣の腕が立つ。殺すには惜しいってのが本音なんだよ。

 これ以上続けても、あんたが無駄に死ぬだけだ。

 致命傷ってことで合格出しちゃくれねえかい? 

 急いで医者行きゃ、その足も繋げてもらえるかもだぜ」

                    ──【序幕】選抜、魚々島 洋 其の五


■浪馬

・馬鹿なのか大物なのか、見極め中。


 思わず、乾いた笑いが漏れた。

 蓮葉の実力は、《神風》候補には異臭のように否応なく伝わるレベルのはずだが、この男は鈍感なのか、あるいはよほどの大物なのか。

              ──【開幕】《神風天覧試合》、始まりの儀 其の十


■航

・実の兄。故人。

 兄の死因を調べるため、洋は陸に上がった。


「オレの兄貴──先代 《神風⦆だった魚々島 こうの情報が欲しい。

 兄貴が死んだのは、《神風》の任務中だったって話だ」

「《神風》に関する情報は、全て機密として扱われます」

「……だよな」

                     ──【序幕】選抜、畔 蓮葉 其の二

                     

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