魚々島 航


洋の兄。五年前に死亡。魚々島最強と呼ばれていた。


🔳プロフィール

先代神風

 青沼が取り出したのは、一枚の古びた写真だった。

 背景は海と空。偉丈夫とぽっちゃりした少年が肩を組んでいる。男は笑顔だが、少年はぎこちないそれだ。

 洋の兄、魚々島 こう殺害の真相。

 洋の依頼を受けて一年。捜査の進展は一切なかったが、《神風天覧試合》が始まれば手掛かりがつかめるかもしれない。

 魚々島 航は、先代の《神風》だったのだ。

                        ──【序幕】選抜、魚々島 洋


■殉職

「オレの兄貴──先代 《神風⦆だった魚々島 こうの情報が欲しい。

 兄貴が死んだのは、《神風》の任務中だったって話だ」

「《神風》に関する情報は、全て機密として扱われます」

「……だよな」

                     ──【序幕】選抜、畔 蓮葉 其の二


■クラゲ

「ところで、蓮葉殿にこの話は?」

「そういや、してないな。いつか話してやるか」

 大きく伸びをすると、洋は再び歩き始めた。

「おまえにはもう一人、兄貴がいたってな。

 クラゲみたいに掴みどころのない、最強の兄貴が──」

                     ──【序幕】選抜、畔 蓮葉 其の二


■兄弟仲について

 二人の兄弟仲? 

 うーん、まあ、よかったんじゃねーの?

 少なくとも、航は弟を可愛がってたよ。確か七つ下だっけ。

 普段はふにゃふにゃして、何考えてんのかわからん感じだったが、弟絡みだけは怖いくらいマジだった。

 洋の方はどうだろうな。まあ、あんだけ面倒見てもらってたんだ。嫌いってことはなかったろうよ。憎まれ口はすごかったけどな。

 まあ色々複雑だったんだろうとは思うよ。あの兄弟は。

                ──【番外】松羽 烏京 —陸亀、かく語りき—


■カカシとの関係

 オレらガキや若い衆は、カカシを嫌って近づきもしなかったが、航は例外だった。カカシのちっこい船に入り浸ってる時期もあったな。最初から洋を押し付ける腹づもりだったのかもしれねえ。

            ──【番外】松羽 烏京 —陸亀、かく語りき— 其の二


■鯱を倒す男

 今でもあいつが獲って来た、クソデカいサカマタの背びれを思い出すよ。あれでオレは魚々島をあきらめた。島を降りると決めたんだ。あいつを殺せるやつが陸に存在するなんて、今だに信じられねえよ。

            ──【番外】松羽 烏京 —陸亀、かく語りき— 其の二



🔳調査過程


■調査を依頼

洋が青沼に調査依頼。


「その調べて欲しいこととは、何ですか?」

かたきを、探してる」

 魚々島 洋が答える。色のない、厳かな声で。


「──兄貴を殺した奴だ」

                ──【番外】魚々島 洋 —潜窟の夜— 其の三


■写真

洋が青沼に渡したものと思われる。


 青沼が取り出したのは、一枚の古びた写真だった。

 背景は海と空。偉丈夫とぽっちゃりした少年が肩を組んでいる。男は笑顔だが、少年はぎこちないそれだ。

                        ──【序幕】選抜、魚々島 洋


■青沼調査、進展なし

 洋の兄、魚々島 こう殺害の真相。

 洋の依頼を受けて一年。捜査の進展は一切なかったが、《神風天覧試合》が始まれば手掛かりがつかめるかもしれない。

 魚々島 航は、先代の《神風》だったのだ。

                        ──【序幕】選抜、魚々島 洋


■《神風》になれば手掛かりがある

「《神風》の情報は全て機密扱い。

 ですが、そこに航殿の情報が含まれることはお約束します。

 《神風》になれば、それら全てに触れることが許されることも」

                     ──【序幕】選抜、畔 蓮葉 其の二


■ドロ婆の返答

「兄貴の情報は、何か出てきたか?」

 姥面を着け直し、一言告げる。

「──ないね」

                  ──【開幕】《神風天覧試合》、始まりの儀

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