関係者(一般人)

🔳┳青沼

身長:洋より拳一つ大きい。170前後。


■容姿

 片付いてはいるが飾り気のない空間で、カウンターのスツールに腰かけた青沼は怪訝そうに訊いた。丸眼鏡に口ひげの四十男。くたびれたモッズコートの中身は、腕力とは無縁の痩身だ。

                    ──【序幕】魚々島 洋 ―海と山と―

■洋との関係

 洋と青沼のつきあいは、もう一年にもなる。

 ここに引っ越した日、洋が一掃した暴走族に拉致されていたのが青沼だった。アングラライターを名乗り、識る者の限られる魚々島の名に食いついた青沼を洋は評価し、情報屋として雇ったのだ。

 以来、二人の契約はトラブルなく続いている。一番の依頼こそ果たされぬままだが、それが困難なのは洋も承知の上だ。

 青沼は週の半分ほどここを訪れ、調査報告や裏社会のゴシップを落としていく。寝泊まりすることも多く、半ば居候のような関係になっている。

                    ──【序幕】魚々島 洋 ―海と山と―

■末っ子

「ぼくは末っ子ですね。兄と姉がいます」

                ──【序幕】魚々島 洋 ─海と山と─ 其の二


■アングラライター

 猿轡を解かれた男は、口ひげを丸めて破顔した。

 青沼と名乗る。職業はフリーライター。アングラ系が専門で、時折その手の雑誌に記事を載せているという。 

 チーマー界隈で頭角を現す《審判邪眼》をしていたところを、廃スタンドに拉致されたらしい。黒縁眼鏡に人好きのする顔だが、見た目通りの単純な人物でもなさそうだった。

                ──【番外】魚々島 洋 —潜窟の夜— 其の三


■情報屋として雇われる

「青沼さん。あんた、裏の情報は拾えるかい?」

「情報屋の真似事くらいなら出来ますよ。

 これでもアングラ一筋で三十年やってるんで」

「オレは昨日、大阪に来たばかりだ。こっちの事情に疎いから情報源が欲しい。

 それに調べてもらいたいこともある」

「ふぅむ。内容と報酬次第ですね。危険手当はあります?」

「報酬をケチる気はないさ。危険の方はオレが引き受ける」

「なるほど。悪くない話ですね」

                ──【番外】魚々島 洋 —潜窟の夜— 其の三


■写真を所持

 青沼が取り出したのは、一枚の古びた写真だった。

 背景は海と空。偉丈夫とぽっちゃりした少年が肩を組んでいる。男は笑顔だが、少年はぎこちないそれだ。

 洋の兄、魚々島 こう殺害の真相。

 洋の依頼を受けて一年。捜査の進展は一切なかったが、《神風天覧試合》が始まれば手掛かりがつかめるかもしれない。

 魚々島 航は、先代の《神風》だったのだ。

                        ──【序幕】選抜、魚々島 洋

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