┣青沼【幕間】

🔳人物

■情報屋の実力

・洋は高く評価している。


「何言いやがる。青沼さんをナメんじゃねーぞ。

 こう見えて有能なんだからな、この人」

「お褒めにあずかり恐縮ではありますが」

 頬をぽりぽり搔きながら、青沼は続けた。

「正直なところ、ともがらの調査となると、私には荷が重いです。

 調査というのは繋がりを辿る作業ですが、隠れ住む輩にはそれがない」 

 社会に頼らず、衣食住を自給自足する輩を探すのは、彷徨さまよう獣を探すにも等しい。洋の兄の足取りが、皆目掴めないのもそれが理由だ。

               ──【幕間】魚々島同盟  ー手札交換ー 其の二


■教え上手

「青沼さん、教師の才能あるぜ」

「一応、教職免許持ってたりします」

               ──【幕間】魚々島同盟  ー手札交換ー 其の四


🔳人間関係

■烏京

・初対面。同盟相手として挨拶する。

・暗殺者としての情報は知っていた様子。


「初めまして。私、青沼と申します。

 本業はライターですが、洋くんに雇われて情報屋の真似事をしています。

 松羽 烏京さん……二つ名は《天狗礫てんぐつぶて》《投げを極めた男》でしたね。

 松羽流は銃を使わぬ殺しのプロ集団。

 中でも《天狗礫》は、若くして屈指の実力者だとか。

 《神風》候補とは思いませんでした。よろしくお願いします」

                   ──【幕間】魚々島同盟  ー拇戦遊戯ー


■蓮葉

・洋以外で初の意思疎通に成功。


「……蓮葉ちゃん。

 お兄ちゃんがピンチみたいですよ」


 後に青沼はこう語る。

 あれが蓮葉と意思疎通できた、最初の会話だったと。

 蓮葉の乱入によって、指相撲はたちどころに中断し、うやむやになった。

                   ──【幕間】魚々島同盟  ー拇戦遊戯ー


■魚々島同盟の調整役

「お二人が勝ち進むために必要なのは、対戦相手の情報です。

 直接対面されたお二人なら、読み取れたことも多いかと。

 それを聞かせていただければ、表の調査の足掛かりに出来ます。

 どんな些細なことでも構いません。教えていただければ。

 ああ……よければ、もちろん蓮葉ちゃんも」

               ──【幕間】魚々島同盟  ー手札交換ー 其の二


🔳情報屋

■たつきの調査へ

「まあまあ、洋くん。少なくとも有力な手掛かりですよ。

 神社の名前と場所がわかれば、私でも調べられます。

 大阪から福井なら、わりと近いですしね。

 すぐにとは言えませんが、できるだけ急ぐとしましょう」

              ──【幕間】魚々島同盟  ー手札交換ー 其の二


■八百万に詳しい

「まあまあ。浪馬くんの近況はともかくとして。

 私、八百万に関しては、かなり調べ込んでいるんですよ。

 何なら本の一冊も出せるくらいに。命が惜しいので書きませんが。

 これについては、情報屋らしい仕事が出来ると思います」

               ──【幕間】魚々島同盟  ー手札交換ー 其の四


■大阪市内の監視網

「大阪市内の怪しい動きは、チェックする手筈てはずを整えましたから。

 特にここ、此花区の不審者情報は、秒単位で把握できます。

 川と海に囲まれて、攻め込む道が限られますからね。

 とはいえ、あくまで表の監視手段ですけれど。

 烏京くんやドロ婆さんの動きは、皆目掴めませんでしたから」

「大人数の動きがわかれば、十分助かるぜ」 

「フン──確かに、拠点の目端が利くのは助かる」

               ──【幕間】魚々島同盟  ー手札交換ー 其の四


■???

 青沼は、思わず放心した。

 飛び過ぎる追憶の翼が、心の水面に波紋を投げる。

 それが顔に至るより早く、口ひげを撫ぜ、表情を隠す。

 ──ああ、そうか。参ったな。

 なんて。

               ──【幕間】魚々島同盟  ー手札交換ー 其の四


■???

 一年前に文殊が拉致し、洋が救い出した、あの男。

 ゾクのねぐらだった廃スタンドに現れた、青沼と名乗る男は、確かにこう言ったのだ。

 

「私は、八百万やおろずの関係者でして」──と。 

               ──【幕間】八百万 浪馬 ー遷客騒人ー 其の四



 

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