🔳┳人間関係・烏京


🔳洋

・初対面時は「魚々島最弱」という情報を鵜呑みにしていた。

・その為、洋を見下した言動が見られたが、《天覧試合》を経て洋の実力を認める。


「その通り──人を鍛えるのは環境だ。

 魚々島の強みは素手で魚を捕り、水中で鮫と渡り合う身体能力に尽きる。

 海という過酷な環境あらばこそ、魚々島になれるのだ。

 故にオレは指摘した──こいつは《陸亀》の出来損ないだと。

 このだらしない腹を見れば、誰でも一目瞭然だろうがな」

                     ──【前幕】魚々島 洋 VS 松羽 烏京


「最後は力技だと──ふざけるな」

 悔し気に。けれど満足気に。

 最後に洋を見やり、吐き捨てる。


「──反吐が出るほど、だ」

                 ──【一幕】魚々島 洋 VS 松羽 烏京 其の十


 騙し合いのシーソーゲームを経て、烏京は理解している。

 とぼけた風貌に反して、洋は切れ者だ。「小賢しい系のデブ」の自称は伊達ではない。事前に烏京が弾いた程度の算盤そろばんは、洋にも見えていたはず。挑発に乗り、計算を誤ったとは考えにくい。

                 ──【後幕】魚々島 洋 VS 松羽 烏京 其の四


だぜ、烏京」

 烏京は瞠目した。

「──当然だ」

 やや遅れて応じた烏京に、洋が目を丸くする。

「……おまえ、笑うんだな」

                 ──【後幕】魚々島 洋 VS 松羽 烏京 其の四

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