2y

今日、私はこのジェットコースターの操作を任された。

あの日から気づけば二年。年月が経つのは早いものだ。

分電盤を組み立てていた頃が懐かしい。


「...走行中は安全バーをしっかりお持ちください。それではダンパラ、スタートです。」

そんなアナウンスをした後、安全バー確認のランプが緑に光ってることを確認し、発車ベルのスイッチを押す。

そして3秒後に「スタート」のスイッチを押す。

コースターは順調に進んでいき、レールの頂上まで上り詰めたと同時に制御盤の「巻き上げ完了」のランプが点灯する。

そして、アナウンス。

「これから時速60キロの旅へご案内します。3、2、1、」

発射とアナウンスすると同時に「降下」ボタンを押す。

制御室内にも伝わるような地響きとともにコースターは軽やかに滑り出す。

「キャー」という声が遊園地全体に響き渡る。

そして、ホームに戻ってくる。

「では、安全バーを解除しますのでそのままお待ちください。」

そうアナウンスして安全バー解除のボタンを押す。

次の瞬間に耳に入ったのはバーを上げる空気の音ではなかった。

それは、空気圧警報の音だった。

「ご迷惑をおかけしています」などといったのアナウンスをして、無我夢中で機械室に行く。

手動で安全バー解除のための栓を開き、解除する。

そして構内電話で通報。


「安全バー解除で警報発動しました。」

「わかった。とりあえずそれは運休な。」

そう聞こえた。









結果的にそれはリレーの焼き付きが原因だと分かった。

安堵した半面、また起こるのではないかと不安が出てきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る