No title
@rpcrtremote
一人目
0y 1984/3/10
「それでは、今日もけが、事故なしで頑張りましょう!」
「「はい!」」
私は今日もこの地に立つ。
ジェットコースターの電装を任された私は、今日もL-8分電盤に向かう。
そこには、昨日から作りかけて放置してあった回路が放置してあった。
ふと足元に目をやると、そこには無造作に置かれたリレーの山がある。
設計書を取り出して448ページ、"動力盤"の項を開く。
それを蓋に立てかけ、まずは背伸びをする。
そして、右手にドライバー、左手に電線を持ったら作業開始。
昼ごはんも忘れ、盤を組み立てる。
そしてテスト。
リレーのカチャカチャという音と電磁弁のパシュっという空気の音が何度かした。
一つスイッチを押すと、操作を受け付けてくれなくなった。
「今回もどこかがおかしいのか...」
昨日はきちんと動いた。
まず、ホームのモーターを動かして台車が外に来る、そしてワイヤーに引っかかったらS4が入になる。そしてLY25が入り、NO接点でLY33に伝えられる。そしてX1が作動し、巻上機が動き始める。
頂上でワイヤーが外れると同時にS5、LY32が作動し、BB1が作動。その空気圧で台車を送り出す。
「...となると?」
指で配線をたどっていくと、ある一本の線が抜け落ちていることに気づいた。
「これだ...」
その線を差し込んで再度テスト。
やっぱり止まる。
(ここじゃなかったか...最近はパーソナルコンピュータとかいうものが出てきたが、それも大きすぎてここには入りきらないからなぁ...あいつを操作できるほどのスキルが自分にもあったらなぁ...)
そう考えていると、上から鉄の塊が降ってきた。
「おーいボルトとってー!!」
見るとレールの上で手を振っている作業員がいた。
「はいよっ」
そういって分電盤を後にする。
「えぇっと...?」
外を歩いてみて、気が付いた。
「もしかして...」
そうだ。
前にX2とRY10の順番を逆にして取り付けていた時、線が抜け落ちてしまったことを思い出した。
急いで確認すると、確かに抜け落ちていた。
訂正すると、止まらずに動き続けることが分かった。
「これで、一つクリアか。」
そう安堵した。
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