二人目

27y 2011/3/11

「ねぇ、このジェットコースター行く?」

「乗りたい乗りたい!!」


...という弟のわがままについてきた僕は約30年前のコースターに乗ることになった。

なんか60キロで走るらしい。

電気関係は自分のお父さんがしたって言ってた。

なんだかその時代にはパソコンがまだなかったらしいけど。

とか思いつつ、お菓子を食べながら車に乗り込む。

そしてそのままタブレットを立ち上げる。

もちろんゲームだ。

移動時間はこのゲームでつぶせる。



遊園地についたら、まずはジェットコースターに乗り込む。

お昼時ということもあって、結構混雑していた。

子供のころからあこがれていたものに乗れるのはなんだか楽しい。

乗るときにお父さんが「怖くないか?」と心配してきた。

この遊園地に勤めていたのは知ってたけどまさかジェットコースター担当だとは思いもしなかった。

そして人生初のジェットコースター体験が始まった。

レールを登って、急加速。

そしてほぼ90度傾いたままの走行。

波打ったレールで体が吹っ飛んでいきそうになる。

そして二番目に高いところから降りている途中、不意に携帯が鳴った。

「地震です!地震です!」

そうなっていた。

急にジェットコースターが止まった。

ほとんど水平な所だったのでよかったと思った次の瞬間、強烈な横揺れ、縦揺れが始まった。

まるでジェットコースターが動いているときみたいに。

一分以上の揺れの後、ジェットコースターはゆっくりとホームに戻ってきた。

いつもは高速で走っているところを、人が歩くぐらいの速さでゆっくりと走っていった。


そして僕が下りた時、お父さんは「ごめんね」と言った。

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