第31話 偽の階段

俺達は塔の中の魔物達の異様な雰囲気を感じとったのだった。


「なあソフィア?かなり強い魔物の気配も感じるんだが、ここには前から強い魔物が住みついていたのか??」


「いや確かに町の人々にとっては確かに危険だったとは思うのですけれど。Cランク以上の冒険者なら余裕で倒せる程度の魔物しかいないと聞いていたんですが。もしかしたら魔物の種類が変わってしまったのかもしれません。」


「Aランク冒険者でもかなり骨が折れそうな魔物の気配ばっかりだよ。」


「一体どういう事なんでしょうか?」


俺は魔物の気配を察知した。


「みんなすぐに戦闘態勢を取れ。強い魔物がもうすぐここに来る。」


「えっ??」


「ジャンの言う通り、隣の部屋からアークデーモンが近づいてきてる。」


俺は戦闘態勢を取り、みんなも戦闘態勢を取ったのだった。


そして魔物がやってくるのも待ち構えたのだった。


そして青黒い巨大なアークデーモン達が俺達に目の前に現れたのだった。


アークデーモンは今にも襲いかかろうとしていた。


「みんな後ろに下がってくれ。魔法で一気に片づける。」


ソフィアやマリーヌ達は俺の言葉を聞いて後ろに下がったのだった。


「はい。」


俺はすぐに光属性の超級魔法であるシャイニングレイ詠唱を始めたのだった。


「この地に覆い尽くす漆黒の闇をその聖なる光で照らし尽くせ!!シャイニングレイ!!」


眩いばかりの聖なる大きな扉が天井に現れたのだった。


そしてその聖なる扉がゆっくりと開かれるとそこから強力な光が現れてアクーデーモン達をその聖なる光がどんどん包み込んでいったのだった。


アークデーモン達は俺のシャイニングレイによって大ダメージを受けたのだった。


俺はアークデーモン達を倒したのだった。


俺は一息ついて言った。


「ふう、これでよしっと。」


すると後ろに下がっていたソフィア達が俺の傍にやってきた。


「さすがジャン様、アークデーモンを一撃で倒しちゃうなんて、本当にすごいです!!」


「ジャンさんって本当に強いですね。」


「ありがとう、でもこんな強い魔物が他にもウロウロしているとなると確かに危険だな。」


「そうですね、さすがに他の冒険者達だとアークデーモンの連戦にでもなったらキツイでしょうね。」


「そもそもこの大陸でアークデーモンが出る場所なんて数えるほどしかないからな。」


「うん、ここの魔物は相当に手強いと思う。」


「こんな場所がグリンダムの近くにあったなんて知りませんでした。」


「まあとにかく今は先を急ごう。一階には誰もいないようだから、上の階に行ける階段を探さなきゃな。」


「えっ?それってあの階段でいいんじゃないの?」


ナタリーはそう言うと俺達の前方にある階段を指さしたのだった。


俺はあの階段を見てナタリーに言った。


「いやあの階段を上ってはダメだ。」


「えっ?なんで?上の階に行く階段じゃないの?」


「あれ階段じゃなくて、たぶん魔物だ。鏡の魔物ミラーモスが階段に化けてるんだと思う。」


ナタリーが驚いた様子で俺に聞き返した。


「えっ?あの階段って魔物が化けてるの?」


「たぶんな。」


「ミーシャはどう思う??」


するとミーシャが首を縦に振りながら言った。


「うん、ジャンの予想はたぶん当たってると思う。私もあの階段から魔物の気配を感じる。」


「鏡の魔物ミラーモスですか。話には聞いた事はあったんですけど、こうして実際に階段に化けているのを見るのは初めてですね。」


「それじゃあジャンさん?どうすればいいんですか?」


「あれが鏡の魔物ミラーモスなら光属性の魔法で攻撃すれば一発で消せるはずだ。」


俺は光属性の上級魔法であるホーリーランスを唱える事にした。


「聖なる刃よその聖なる輝きで全てを貫け!!ホリーランス!!」


光でできた聖なる槍がたくさん俺の前に現れると、それは階段に向けて一直線で飛んでいったのだった。


それらの光の槍全てが階段に命中したのだった。


すると突然ギイギイと魔物の断末魔が周囲に響き渡ったのだった。


次の瞬間には俺達の前にあった階段は消え失せて、鏡の魔物のミラーモスの亡骸が転がっていたのだった。


「やっぱり鏡の魔物ミラーモスだったか。」


「それじゃあ上に上がれる本物の階段はどこにあるんだろう?」


「たぶんもっと目立たない場所にあるはずだ。案外壁の中とかに隠されてたりするんじゃないか?」


「分かりました、それじゃあ壁の中に隠し階段がないか調べながら行きましょう。」


俺達はすぐに1階の壁を調べながら進んでいったのだった。


すると壁が不自然に動く場所を見つけたのだった。


「ここの壁が動くようになってる。」


俺はすぐにその壁を横へと動かしてみた。


すると壁の奥から二階へと続く階段が現れたのだった。


「本当だ、ジャンの言う通りだったね。」


「さすがジャン様、いい読みです!!」


「ああ、ありがとう。」


「さあ、先を急ごうぜ。」


俺達は二階への階段を上がっていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る