第16話 ラズバーの最期
グリンダムの中央広場に特設の会場が用意されて、そこでラズバーの裁判が始まったのだった。
中央広場にはグリンダムの町の人々がたくさん集まってきていた。
俺もその裁判を傍聴していた。
リール副市長が集まった人々に言った。
「みなさまに集まってもらったのは他でもありません。少し遅くなってしまいましたが、ラズバーの処罰をどうするかを皆様で話し合って決めたいと思います。それではまずラズバーを有罪にするか無罪にするかですが?」
すると町の人々が口々に言った。
「この町の住民がほぼ全員がラズバーの犯行を目撃してるんだ。俺もラズバーが電撃魔法で人を殺すところを見てるんだ。」
「私もラズバーが女の子をさらっていく所を何度も目撃してます。」
ラズバーは人目を気にせずにたくさんの犯罪を行っていたので 、グリンダムの町の住人のほとんどがラズバーの凶悪犯罪の目撃者でもあった。ラズバーが無罪か有罪かの議論はすぐに終わり、ラズバーが犯した罪がどんどん認定されていった。
そしてすべての事件の審査を終えた。
リール副市長がみんなに言った。
「ラズバーには5220件の誘拐事件及び1650人の殺害事件及び18600件の強盗事件及び資金の横領2620件及び恐喝事件が25800件合わせて53890件の罪が全て立証されました。」
「それでは次にラズバーにどんな刑罰を与えるかに議論が移りたいと思います。ラズバーはとてつもない数の罪を犯しています。こんな事はグリンダム史上でも例がありません。やはりラズバーには極刑でのぞむしかないと思われますがいかがでしょうか?」
「そうだ、娘をラズバーに殺されたんだ!!死刑以外考えられない!!」
「そうだ!!!ラズバーを死刑にしろ!!!」
「そうだ、そうだ。」
ラズバーの極刑にほぼ反対意見はでなかった。
そしてみんなの議論の結果ある刑罰が決まったのだった。
ラズバーへの刑罰が即日執り行われる事になった。
そして俺がその執行を執り行う事になった。
そして俺はすぐにラズバーを睡眠魔法で眠らせてボルシードでとある場所へ運んだのだった。
ラズバーを連れてくると、俺はラズバーを地面に転がした。
しばらくして俺はラズバーを叩き起こしたのだった。
「おい、起きろ!!」
手足を縛られたラズバーは目を覚まして起きてきたのだった。
「うん、ここは??」
ラズバーがキョロキョロとして周囲を見渡したのだった。
「ラズバー、てめえの大好きな大宮殿の中庭さ。」
するとラズバーが嬉しそうに俺に言ったのだった。
「そうか、一時はどうなるかと心配したが、みな私の善良さに気がついたのだな。これからも私に尽くすという事が決まったのだな!!!」
「馬鹿かテメエは!!!あっそうだ。とんでもない馬鹿だったな、ごめんごめん。」
俺はラズバーに与えられた刑罰を説明してやった。
「ラズバー?テメエの処刑どうするかって議論になって、それで一つの処刑方法に決まったんだよ。魔物食いの刑にな。まあ簡単にいえば魔物達にお前を食い殺してもらおうって事になったんだよ。お前の部下だったカマルの話ではお前が使役していたここの魔物は制御用の刻印を失ってもうラズバーの言う事を聞かないらしいからな。魔物に食い殺してもらう刑のわけだから、ここがラズバーの刑を執行するにはうってつけの場所だって事だ。」
ラズバーは自分が処刑されると聞いて顔が青ざめていったのだった。
「このラズバー様を処刑するだと?冗談だよな??嘘だよな??」
「本当に決まってるだろうが。この場所には魔物除けの結界が張ってあるんだが、それももうすぐ効果が切れる。俺は死刑執行人としてここにいるのさ。ラズバーお前がちゃんとここの魔物達に食い殺されるようにする為にな。」
すると団長から魔導通信が入った。
「ジャン、そろそろ時間じゃ。」
「分かりました。」
そして俺は相棒であるボルシードを呼んだのだった。
「ボルシード!!」
すぐに空から赤い眩い光と共に深紅の巨大なドラゴンが俺の前に現れたのだった。
そしてボルシードはすぐに俺の所まで降りてきた。
俺はジャンプすると相棒のボルシードの肩に飛び乗った。
俺はボルシードの上からラズバーを見ながら言った。
「じゃあなラズバー!!テメエにはお似合いの末路だ!!!しっかり苦しんで魔物に食い殺されるんだぞ!!」
俺はボルシードに言った。
「よし上昇だ。」
そしてボルシードは高度を上げていったのだった。
下からラズバーの叫び声が聞こえる。
「待て!!!いや待ってください!!!ジャン様!!お願いです!!助けてください!!」
俺は当然それを無視した。
すると結界の効果が切れたらしく魔物達が大挙してラズバーがいる宮殿の中庭に押し寄せてきたのだった。
ラズバーが押し寄せてきた魔物達を見て、走り出そうとした。
だがラズバーは両手両足を魔法封じの手錠で縛られており、魔法を使う事も手足を使って逃げる事もできなかった。
ラズバーは地面をはいずりながら逃げようとした。
「ヒエーーー、助けてくれ!!!」
ラズバーの悲痛な叫び声が聞こえてくる。
すぐにラズバーは魔物達に囲まれたのだった。
魔物達はラズバーに容赦なく襲い掛かっていた。
「ウギャーーー!!痛い!!痛い!!噛むな!!!噛まないでくれ!!」
ラズバーの悲痛な叫び声がしばらく続いた。
「うああーーー!!痛い!!痛い!!痛い!!」
ラズバーの悲痛な叫び声が続いた。
「た、頼む、助けてくれー!!!」
そしてそれはラズバーの断末魔へと変わっていった。
「うあああ!!死にたくない!!嫌だあーー!!」
そしてしばらくしてラズバーの断末魔が消えたのだった。
ラズバーの刑の執行が完了したのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます