33,グァム島

 青い砂浜、所々残る赤錆びた戦争跡、俺たちは今・・・グァム島に居る!


 グァム島は、旧日本軍が占領していたがアメリカ海兵隊と激戦の後にアメリカ領になった島だ。もちろん、激戦地の証拠は赤錆びた日本軍の旧式戦車やアメリカの旧戦車、植物のつたやバラバラになった零式艦上戦闘機ゼロ戦などからわかる。


 チヌークから降りた俺たちは、米軍基地管轄の訓練をするためだけの無人島にチャーターした小型船で向かった。


 桟橋さんばしに上がると、そこから入り口まで歩きゲートをくぐりその先にある地下と地上を合わせて東京ドーム120個分の広大で巨大な敷地に向かった。


 この場所は、ザックリと言えばアメリカ軍の訓練敷地だが軍全体のためではなくアメリカ合衆国に3ヶ月前まであった国際特殊海兵隊レディース・フォース所属第1ジーク中隊用の訓練用無人島だ。


「・・・そして、ここが宿泊施設だ。 部屋毎に温泉とシャワー室があるから汚れても問題無い」


 宿の使い方や射撃練習場の使い方などを説明し終えた時には、夕陽が水平線に沈もうとしていた。


__________


 深夜、俺は1人で射撃練習場にて赤外線照準器サーマルスコープ減音器サプレッサーを付けたAR-15で暗闇に覆われた約120メートル先にある的に向けて単連射セミオートで撃っている。


 的に熱源は元々無いので、的に画鋲がびょうで日本製のカイロを刺している。


 それに、銃口に取り付けた減音器サプレッサーが発射音をかき消している為、宿泊施設で今ごろ楽しく女子会をしている護身術教室の生徒達には聞こえないはずだ。


「・・・命中ヒット、次」


 午後23時から夜間狙撃訓練をしていた俺の元に足音が聞こえてきた。だが、俺は気にせずに黙々と的に弾痕を残していく。


 そして、午前02時30分ごろになってようやく訓練を終えて宿泊施設の方に向き直ると青い淵のメガネをかけた女性と目が合った。


「お久しぶりですね、常連さん」


「・・・アレ? 誰だっけ?」

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元海兵隊兵士が女子校の非常勤講師になって、何が悪い? @12{アイニ} @savior1of2hero

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