30,転入・同期・テスト前の校内

 光ヶ丘ひかりがおか女子中高大学校に着くと、何故か見知った顔が居た。


「Hi, Zeke.(やっほー、ジーク!)」


「ん? Alyssa?(アリッサ?)This is Hikarigaoka Women's Junior and Senior High School. So? Why are you here?(ここは、光ヶ丘女子中高大学校だぞ? それで? なんでここにいる?)」


「I know this is school!(知っているよ、ここが学校だって事ぐらい!)Besides, the reason I'm here is because my sister-in-law is going to attend the school, so when we took the class together, she was hired as a part-time lecturer.(それに、ここにいる理由は義妹いもうとが通うことになったから、一緒にここに受けてみたら、非常勤講師として採用されたから)」


 、じゃあ。同期?マジかぁ〜。


「Which subject?(どの教科?)」


「Well, if I remember correctly... it was physics and chemistry.(えーっと、確か・・・物理と化学だったっけ?)」


「Huh. You look good.(フッ。お似合いだな)」


 そして、アリッサ・マーカルの義妹いもうとである織家おりやマーカル沙織さおりが転入してきたのは、4月半ばだった。


 それからは、何事もなく。月日が流れて、5月になった。


 5月末に中間テストを控えた校内は、嵐の前の静寂感が漂っていた。


 特に図書室が毎日、放課後に満員電車のように過密になり、2階建ての自習室は3年生や大学生がひしめき合っていた。


 勿論、授業もサバンナのようなギラギラとした目で黒板を見つめノートに写し、時間があれば講師達を捕まえて質問攻めにしていた。


 俺が担当している現代社会もその関連で、質問攻めに会っていた。

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