23,Alyssa Makar is past

〜高宮護(ジーク)視点〜


「え。Are you a sister-in-law? Really?(義妹なの?本当に?)」


「yeah? Was it surprising?(ん?意外だった?)」


 まぁ、正直・・・。


 意外というか、驚きだよ。


「Is she half Japanese and half American?(日本とアメリカのハーフか?)」


「that's right, but···? why?(そうだけど・・・?なんで?)」


「yeah? Maybe because it's easier to hear.(ん? 聞き取りやすいからかな。)」


 確かにハーフやバイリンガルの人達の英語は聞き取りやすい、多分だが息遣いと発音をしっかりと区別しているのだろう。


 頭では理解するのが難しい子供に説明するとしたら、息の仕方は人によるが鼻から吸って鼻から吐くが、発音と一緒にすると鼻から酸素を吸って口から声を出す。すると、発音していない音に変わって言っていない言葉になる。


 例としては、「イエス」と日本人は言うがアメリカやイギリスの人は自然と「ィエス」と発音していることだ。この場合、相手日本人からすれば「ん? エスって、何?」という解釈かいしゃくになる。


「Is that why?(そういう理由?)」


 呆れた顔色で、やれやれと首を横に振った。



〜アリッサ・マーカル視点〜


 全く、どうしてこの人は飽きる事が無いだろうか?アタシが出会って来た奴らは自己中心的考えで、自責になればすぐに他人責任にして押し付けてくる。


 元父親がそうだった、まぁ。アタシが12の時に麻薬で捕まって、病に伏せていた母を残して豚箱刑務所に行ったけど。


 でも、中卒で職を探している時に偶然通りかかったジークに喧嘩売って返り討ちにあって、「Will you join the army instead of keeping quiet from the police?(警察に黙っておく代わりに軍に入ってくれないか?)」なんて言われた時からアタシの人生がひっくり返った。


 軍人になってすぐに休暇を取って、病院に居る母に会いに行った。でも、その日が母の命日になった。病室に入ると母は笑顔で「お帰りなさい、アリッサ。 でも、ごめんね。お母さんは、いつでも貴女の心の中で見ているわ」と言って幸せそうな顔で、空に逝った。


 アタシはそれを見続けながら、ナースコールを押して「息を・・・、引き取ったわ」と言った。


 その後、母の葬儀にジークやみんなが参列してくれた。その時が、母に仲間を紹介した日にもなった。

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