　横須賀の赤煉瓦誘拐事件として処理された事件の犯人川の動機は、咲耶（さや）義姉（ねえ）が調べてくれてある程度わかった。

「つまり、帳消し要求の為か？」

「そんな感じよ〜、それと。　見て、コレを」

「ん？　コレは・・・？」

　朝食なので、ミルクティーを飲むと手渡された書類を見た。

「あの犯人達が元山村組から借りていた額よ」

　そこに記されていた額を見て、思わず心の本音が漏れた。

「え、たった１０万円で！？」

「はぁ、バカらしいと思わない？」

咲耶（さや）義姉（ねえ）は額に手を当てて呆れていた。呆れて居る咲耶（さや）義姉（ねえ）を見るのは、義兄姉（きょうだい）となって初めてだ。

「確かにバカだな・・・、働いて返せば良いものを」

　俺も半分呆れたが、裏にもう１部あったのでめくってみた。

「なぁ、咲耶（さや）義姉（ねえ）」

「ん？　って、それは・・・」

　俺の顔が険しいことに気が付き、目を泳がし始めた。

「元アメリカ合衆国国際特殊海兵隊（レディース・フォース）所属ジーク中隊のアリッサ・マクラーフルが、主犯だって？」

　顔写真と共に、名前が載っていた。

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