9,WILL BE GO HERE

 午前08時32分。


 俺はあの後、咲耶さや義姉ねえと一緒に家に帰って、朝食となった晩御飯を食べて軽く寝た。起きたのが、今さっきだ。


 だが、今日は土曜日。何もなければ、休日・・・だったが、森山理事長から緊急の連絡が入った。


 なんでも、山村やまむらが部活に来ていないらしい。


 山村やまむら絵美えみ、身長およそ152センチだが出るとこは出ててくびれるとこはくびれている、お嬢様だ。金髪だが、校則に縛られていない。


 性格は真面目で、現代国語と書道が得意だ。所属している部活は意外で、薙刀なぎなた部と槍術そうじゅつ部の掛け持ちだ。


「・・・。(真面目な山村が? 珍しいな)」


『それで、今すぐに来て欲しいのだけれども・・・? 可能かしら?』


「わかりました。 5分で行きます!」


 その後、寝ぼけながら起きて来た咲耶さや義姉ねえ事情ことを話してから着替えて、駆け足で階段を最上階の8階から地下1階にある駐車場に降り、停めてあるハーレーに跨りながらエンジンキーを鍵穴に刺し回してアクセルを3回吹かした。


 手袋をはめてヘルメットを被ろうとしていると、咲耶さや義姉ねえに声をかけられた。


「手伝えることがあったら、お義姉ねえちゃんに言ってね?マー君」


「おう!」


 グッドサインをして地下駐車場から地上の公道に出ると、光ヶ丘ひかりがおか女子中高大学校と書かれた看板のいう通りにハーレーを走らせた。

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