第81話 火竜と成長
分厚く硬い鱗を貫いたフランベルジュから蒼い炎が周囲に広がる。
明らかなダメージが入ったのかフレイムタイラントが暴れ始める。それでも伸ばした炎帝の手で固定しているので振り落とされることなく、フレイムタイラントの目の中に蒼炎を送り続ける。
周囲に火炎ブレスを放ったり、火の大魔法が撃たれるけど、炎帝モードなら火属性への耐性は問題ないので難なくその場を凌ぐ。
僕の中にある全ての気と魔素を絞り込み、どんどん蒼炎をフレイムタイラントに送り続けると、硬かった鱗が少しずつ落ち始めて、中にあるドラゴンの皮膚が焼け始めた。
もう一つの目の中からも蒼炎が溢れ、フレイムタイラントの体がどんどん蒼炎に飲み込まれていく。そして――――
――【竜種討伐を確認。レジェンドスキル『限界突破・上級』が『限界突破・超級』へ進化しました。】
――【『才能なし』の竜種討伐を確認。報酬としてレジェンドスキル『竜麟』を獲得しました。尚、このスキルは自身にのみ表記され、レベルの限界を超えた分も自分にのみ表記されます。】
――【レジェンド『炎帝』の火竜種討伐を確認。報酬としてレジェンドスキル『火竜の心臓』を獲得しました。尚、このスキルは自身にのみ表記され、レベルの限界を超えた分も自分にのみ表記されます。】
――【才能『絆を紡ぐ者』の竜種討伐を確認。報酬としてレジェンドスキル『竜神の加護』を獲得しました。尚、このスキルは自身にのみ表記され、レベルの限界を超えた分も自分にのみ表記されます。】
フレイムタイラントがその場に倒れ込む。それと同時に無数の天の声が聞こえてきた。
周囲は灼熱地獄状態で、炎帝モードを発動してから三分が経過した。
フレイムタイラントを倒したとしても周囲に広がっている魔法や爆炎による灼熱地獄状態はすぐに消えることがなく、炎帝モードが終わった僕はそのまま灰になってしまうだろう。
でも僕が灰になることはなかった。
今回獲得したレジェンドスキル『火竜の心臓』。色々高い効果があるみたいだけど、その中でも一番ありがたいのは炎帝モードの効果時間の延長だ。
本来なら三分しか持たない炎帝モードが、なんと十倍に上昇して三十分間発動できるし、解除と再発動までできるようになった。
倒れたフレイムタイラントが死ぬ間際、僕を見上げる。両目は僕の蒼炎で既に開けられない状態だったけど、彼が僕を見つめるのを感じる。
「ごめんね。できれば話し合いができたら良かったんだけど……君がどうして人族を攻撃したのかはわからないけど、大勢の人が死なないように…………僕のエゴかも知れないけど、君を倒させてもらったよ」
フレイムタイラントは小さく唸り声を出す。
次の瞬間、フレイムタイラントの体の中から紅い光が現れて、一メートルくらいの大きな球体――――いや、卵が現れた。
急いで受け取ると、卵から温かい体温と生きている鼓動が聞こえてくる。
「そうか……君はこの子を守るために…………わかった。約束するよ。この子は必ず僕が守るから」
フレイムタイラントの感情が伝わってきて、最後に嬉しい感情が伝わってきた。そんな
「ユウマ~!」
遠くからアリサさんの声が聞こえてくる。風の精霊を使って魔法で声を送っているみたいだ。
「プリムさんから伝言! フレイムタイラントの体をそこに放置しても王国に使われるだけだから、そのまま回収して急いで戻ってってさ!」
ちらっと倒れたフレイムタイラントの体を見る。彼女の亡骸を滅茶苦茶にされたくはない。
異空間収納に亡骸を収納して、急いでアリサさんのところに向かった。
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名 前:ユウマ・ウォーカー
才 能:絆を紡ぐ者(19人)
レベル:40/50
筋 力:B- 耐 久:B-
速 度:B- 器 用:B-
魔 力:B- 知 力:B-
耐 性:B- 運 :B
レジェンドスキル:
〖炎帝〗〖天使降臨〗〖精霊眼〗〖竜麟〗
〖経験値獲得率上昇・上級〗〖上級鑑定〗
〖限界突破・超級〗〖豊かな自然〗
〖異空間収納〗〖火竜の心臓〗
〖竜神の加護〗
スキル:
〖身体能力上昇・超級〗〖運気上昇・極級〗
〖魔力能力上昇・超級〗〖反応力上昇・超級〗
〖魔素消費軽減・超級〗〖二重詠唱〗
〖詠唱速度上昇・超級〗〖高速詠唱〗
〖詠唱破棄・中級〗
〖全属性耐性・中級〗〖光属性耐性・超級〗
〖闇属性耐性・極級〗〖能力低下耐性〗
〖毒耐性〗〖麻痺耐性〗〖石化耐性〗
〖睡眠耐性〗〖沈黙耐性〗〖減速耐性〗
〖魅了耐性〗〖恐怖耐性〗〖幻惑耐性〗
〖即死耐性〗〖遠見〗〖暗視〗〖探知〗
〖上級隠密〗〖聞き耳〗〖威圧〗〖解体〗
マスタリー:
〖剣術・超級〗〖武術・超級〗
〖武器・超級〗〖鎧・超級〗
〖聖物・超級〗〖料理・上級〗
〖火魔法・上級〗〖水魔法・超級〗
〖風魔法・上級〗〖雷魔法・上級〗
〖光魔法・極級〗〖無魔法・上級〗
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