3.5話 北小春

 うちのクラスに転校生が来た。


 1人目は、石川葵音という女の子。


 めちゃ可愛い。女の私からしても目を惹くものがある。


 しかも、一緒に転校してきたもう1人の男の子の自己紹介の手助けまでしていて、多分結構優等生なのだろう。


 そして、そんな石川さんから助けてもらってたあんまりパッとしない、もう1人の転校生。


 城山絃羽という男の子。


 いつも穏やか雰囲気を醸し出している。蚊の1匹も殺すことをためらいそうなぐらい。


 優しい瞳だ。目の前に子猫でもいんのか?ってぐらい。


 緊張して声が震えているが、よくよく聞いてみると、心地のいい声だ。赤ちゃんに話してんのか?ってぐらい。


 

 そんな彼と席替えで、席が隣になった。


 私は人見知りだ。でも同じく人見知りであろう絃羽くんになら話しかけられる気がした。大輝と話してる時も結構きょどってたし。


 「あ、あの、よろしくね!絃羽くん!北小春きたこはるっていいます!」


 人見知りなりに頑張って挨拶してみた。


 「う、うん!こちらこそよろしくね!小春さん!」


 あれ?意外とちゃんと話せる?しかも名前まで呼んでくれて。


 正直何も話せなくなるかなーって思ってたけど。なんかあったのかな。


 

 と、私たちのはこんな感じだった。 


 やっぱり絃羽くんは私のことは覚えている感じではなかった。


 

 でもこうやってまた会えた事が嬉しかった。


 ちょっと気まずいけどね。


 



 

 


 



 

 

 


 

 

 

 



 

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