入学前の説明会②
「ここが講堂……!」
流石国一の教育機関。講堂も大きい。まあ全校生徒が入れるだけの広さが無ければいけないのだから大きいのは当然だが。
「入り口に座席表があるって言ってましたよね。確認しましょ!」
「そうですわね。どうせならネアリと席が近いと嬉しいのですけれどどうかしら……」
「近かったら良いですね……あっ!自分の名前ありました!……うーん、クラリス様は……私の席とはちょっと離れてますね……」
「残念。こればっかりは仕方ないわ。説明会が終わったらすぐ合流しますわよ!」
「もちろんです!また後で!」
「ええ、また後で。」
クラリスと別れ一人広い講堂の中を歩き、座席に貼られている番号を頼りに自分の席を探す。見つけたその席は割と前方席だった。
「こりゃ寝られないなぁ……」
「君寝るつもりだったの?」
「うわぁっ!!誰!?!?」
振り返るとメガネをかけニコニコと笑う男の子がいた。
「初めまして〜。僕はシン、シン・カトラス。ステラ寮所属さ。シンと呼んでくれていいよ〜。」
「……私はネアリ、アイリス寮所属よ。」
「よろしくネアリ!」
そう言ってにこやかに手を差し出すシン。なんとなく胡散臭い。だが握手して何かが変わるわけではないのでとりあえず手を握り返した。
「……ふーん?」
「何か言った?」
「いやいやなんもなんも〜。ネアリの手はすべすべだな〜って……痛っ!!」
「すべすべって何よ、すべすべって。握手した時に出る感想ではないよね?」
「い、痛い痛い叩かないで〜!!な、仲良くしよ!?今日の説明会隣の席だしクラスも多分一緒だから〜〜!!!」
「……あれ、クラス分けってもう出てたっけ?」
「えっ、い、いや、偶然なんかで見たんだよ。クラス分けの紙。ほらカ、カトラス家は貴族ではないけど商売をしているから多方面と繋がりがあるしね〜。」
「そ、そっか……」
うさん臭いせいで微妙に信用ならないがシンがそう言っているのでひとまず飲み込んだ。
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