入学前の説明会
お茶がひと段落した後、そういえばとライ先輩のお誘いについてクラリスに話した。
「歓迎パーティ!?良いですわね!是非参加させていただきたいですわ!」
「本当!?なら早速ライ先輩に伝えなきゃ!」
と部屋から飛び出そうとした瞬間
「待って、多分私の部屋から連絡取れるわよ!」
「どういうことですか?」
「高位貴族エリアの人しか使えないけど他の部屋に伝言を頼むことができるのよ。」
なんだその機能は羨ましい。
「ではライ先輩に伝言を届けてもらうことって可能なんですか??」
「もちろんよ。伝える内容は『お友達もパーティ出席したいそうです。』でよろしいかしら?」
「ありがとうございます!」
『寮内の新入生に連絡です。今から30分後に講堂へ集合してください。講堂の前に座席表を貼ってありますので確認してから座席についてください。繰り返します。今から30分後に……』
寮内放送で新入生に呼び出しがかかった。
「あら、30分後に講堂……ってことは10分前にはついていたいところね。ここから講堂は5分だから今から15分後までには出たいわ。ネアリはもう準備できてるかしら?」
「うん、クラリスの部屋に来る前に講堂へ行く準備を済ませてきたからいつでもいけるよ。」
「分かったわ。ならもう向かいましょうか。」
「講堂への道は……こっちね。この学校は看板が立ってて分かりやすいから良いわね。」
「そうですね、あっちが学校かぁ……すごい大きい建物だなぁ。」
「この学校はこの国一の教育機関だものね。ここを卒業した大体の人が官僚などのエリートコースに進めるだけの設備を揃えているからこんなに大きいのよ。」
「私本当に卒業できるんでしょうか……国をよくしたい!とか王族に仕えたい!とか、高い志なんてみんなみたいに持ってなくて、自分がお世話になった孤児院にお金を稼いで恩返しがしたいという曖昧な気持ちでここに来てしまったから場違いな感じがしてしまって。」
そう言って自嘲気味に笑う。
「ネアリ、入学もしてないのに何を言っているのかしら?あなたなら大丈夫よ。恩返しがしたいって気持ちは人にとって最も重要な感情のうちの一つよ。その気持ちを持っていればどんな時でも人のためを思って行動できるから。そう言う人材はどこでも重宝するものよ。」
とクラリスは笑う。
「……クラリス様、信じますからね!よっし!うじうじせずに卒業してやりますよ!」
5分と言うのはあっという間だった。
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