寮生活開始!③
ライ先輩はなかなか癖が強い人で私が荷解きをしてる間も謎のダンスを踊っていたり、外の鳥に話しかけたりしていた。先輩が卒業まで一緒かと考えたら現実逃避の一つや二つしたくなる。私も卒業するまでにああいうふうになってしまったらどうしよう。
「ネアっち荷解き終わった〜?」
「後もう少しです。」
「ねえねえ、荷解き終わったらネアっちの歓迎パーティ開こうと思ってるんだけど時間ある〜??」
どうしよう。クラリスの部屋にお邪魔すると言ってしまったので歓迎パーティをしてもらう暇がない。
「ライ先輩、申し訳ありませんがこの後友達の部屋へ行くと約束してしまったのでもうそろそろ出ないといけないんです。お気持ちだけ受け取っておきます。」
「ネアっちもう友達ができたんだ!それなら説明会が終わった後その友達も呼んで歓迎パーティする?」
「よろしいのですか?」
「もちろんいいよ。多分夕飯まで時間があると思うし、ネアっちのお友達とも仲良くしたいな〜ってね!!」
といいライ先輩はウィンクした。見惚れるほど絵になる。
「ありがとうございます!では説明会の後にまた。」
「ええ、会場はここの部屋だからここに帰ってきてね!」
「はい!分かりました!」
部屋を出てクラリスの住む高位貴族のフロアへ進む。高位貴族の集まるフロアなだけあって警備が平民フロアとは大違いである。まずフロアの入口に受付のようなものがあり、そこで用のある人の名前を伝えると相手に面会の申し込みの連絡が入る。相手からの許可が得られればフロアにやっと入れるのだ。フロアの至る所に警備員がいて目を光らせている。とりあえずフロアに入れたのでクラリスの住む部屋に向かう。が、やけにジロジロ見られる。なぜだろうと考えながら歩いていると、あぁ、と合点がいった。彼らはこのフロアに平民がいるのに驚いている。高位貴族と仲がいい平民なんて基本的にいないのだ。なのにこんな見た目から平民丸出しの人間がどんな所でどの高位貴族と仲良くなったのか、それは気になるのは当たり前だろう。
しばらくすると「クラリス」と書かれた部屋を見つけたので早速ノックする。
「ネアリです。クラリス様はいらっしゃいますか?」
「はーーーーーーーーーい!」
ドアの向こうから聞こえる声がとてつもない声量だった。ドア越しなのにとてもうるさい。
ダァンとドアが勢いよく開き、
「ネアリ!!!」と抱きつかれた。まだ別れてから1時間も経ってないはずだが半年ぶりのような反応だった。
「ネアリ、早く入りなさい。お菓子を用意してあるわ!」
「お邪魔します。」
高位貴族の部屋、どんな感じなんだろう。
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