寮生活開始!②

ドアを開けると金髪碧眼のいかにも美少女という感じの子がいた。

「あなたが新入生のネアリさん?私は2年のライラ。よろしくね!」

金髪碧眼の見た目通りの綺麗な声で名前を呼ばれて不覚にもドキッとしてしまった。危ない。私は別にここへ恋をしにきたわけではないのだ。

「はい、ネアリと申します。これからよろしくお願いします!」

「そんなかしこまらなくてもいいよネアっち。同じ平民だしね〜。私のことはライラでもなんでも好きなように呼びなよ。」

「ね、ネアっち……?」

14年の人生の中で初めての呼ばれ方をした。

「そ、ネアリだからネアっち。単純で分かりやすいけどどこかオリジナリティがある感じ!最高のネーミングセンスしてるわ、私。」

果たして最高なのかは分からないが、オリジナリティという面で言えば確かにオリジナル感満載である。

「流石に先輩のこと呼び捨てには出来ないのでライラ先輩と呼びますね!」

「うーん、呼び方の距離が遠い!同室の先輩を呼ぶような呼び方じゃないと思うの!!」

これがデジャヴか、似たような言葉をさっきも聞いた気がする。

「同室なんだから呼びす…」

「呼び捨ては無理ですよ。周りからの目を考えてください!」

思わず被せてしまった。クラリスとライラ先輩はよく似すぎだと思う。

「え〜なら妥協点でライ先輩とかライライパイセンとか先輩つけてもいいから!もうちょい砕けた呼び方で!!」

妥協点は向こうが出してくれた。ありがたい。

「……ライ先輩ならいいですよ。」

「もう一声!!!」

「無理です!!!!ライ先輩決定です!!!!!」

「ちぇ〜〜、呼び方がライライとかになるくらい仲良くなることを祈るか…」

「ぜひそうしてください。今のところはこれが精一杯です!!!」

……クラリスレベルのわがままの対応は1日一回でお願いします。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る