ゆめ

夢境

別荘の中へと歩みを進めた僕は、ふと日常生活のことを思い出した。

だが、友人たちの顔を思い出そうとすればするほど、ピンボケした写真のように

不鮮明になっていった。なんだか、自分の体がこの夢の世界に順応しているような、そんな気がした。

そんな中、別荘に濃霧がかかり、視界が悪くなり思わず目を閉じて、もう一度開けると、別荘の様子が変わっていた。

最初は暖かな陽射しと緑に包まれたコテージのような別荘だったのだが、まるでこの世ではないものが集うような荘園に変化していた。