表裏一体

そして暫くの間、導かれるようにただ歩いた。

だが、その時の僕は全くといっていいほど、記憶がないのだ。まるで何者かに操られているような、あるいは夢遊病のような感覚。


__ようやく意識がはっきりとした時、目の前には最初に見つけた大きな別荘の扉の前だった。すると、大きな別荘に黒い人影が入っていくように見えた。

__もしかしたら、ただの見間違えかもしれない、

でももしその黒い人影というものがさっきの記憶のヒントであるならば、追いかけなくては.....

咄嗟にそう考えた僕は見失わないように別荘へと足を踏み入れた。


別荘の中へと無事踏み入れることができた僕は少し違和感を覚えた。

最初この別荘らしきものを見つけた時、扉へ触れた時は入れなかったはずだからだ。人物Aとの遭遇によって、僕自身の体に何かしらの変化が起きたのだろうか。

気になることは沢山あるが、ヒントとなる人物を見失うわけにはいかない為、足を速めた。


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