カケラ

僕はどうしようもなく人物Aの正体を知りたくなった。

まず、ヒトであれば体温があるだろう

触れてみようかと考えたが、僕自身の体が透けていることから何も掴むことが出来ないんじゃないかと思い出し、冷静になり、触れることを断念した。


しばらくの間、時間を忘れたように僕は、人物Aと見つめ合っていた。

まるでその深海の底を写したような果てしない瞳に吸い込まれそうだった。


すると、人物Aは声を出すことはなかったが、紙切れを突然渡してきた。

紙切れにはこう書かれていた

[蜒輔?雋エ譁ケ縺?繝サ繝サ繝サ]

文字化けして、何が書かれているのかは解らなかった。


渡された手元にある紙切れから人物Aへと目線を戻して、何が書いてあるのか尋ねようとしたがそれは叶わなかった。

急に人物Aは黒いモヤがかかって、

僕を覆い尽くしてしまったから____。

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