第22話 光堕ち系メスガキヒロイン

ライトノベルに出てくるヒロインというモノを分類するのであれば、大きく分けて、3種類あると思うのだ。


1つ、それは幼馴染系ヒロイン。

負けヒロインというレッテルを張られることが多い、俺が思うに一番不憫なキャラクターである。ハーレム系では一番最初に出てくるチョロインであり、なぁぜか主人公にまとわりつくむしが増えることを率先して肯定する人外でもある。


(なお、一番最初に寝〇られやすi…ゴホン。なお当人は一週間寝込む)


つぎ!!!


2つ、それは高値の花系ヒロイン。

それは学校の先輩であったり、同級生の超絶美少女であったり、はたまた凡人と一線を画する才女であることが多い。

完璧超人のしっかり者という第一印象とは裏腹の時々見せる、ポンコツで、抜けてるところが数多くのファンを生み出すのだ。


(大体、金髪チャラ男に強制N〇Rされr…ゴポっ(吐血)。なお、当人は純愛厨に目覚める)


つ、つぎ…


3つ、それは黒幕系ヒロイン。皆大好き原作の水野碧唯みずのあおいに当てはまる属性だな。

最初は、儚げな雰囲気を漂わせ、いざ主人公が近づくとその裏の顔を見せる。そのドロドロとした執着心や、歪んだ愛情がたまらないといった同士はたくさんいるはずだ。


(最終的には主人公とイチャラブッ〇スをして、画面外のゲーマや視聴者の脳を破壊する。なお当人は今後一切恋愛系のすべてを見れなくなる)


本当にこの世界はイカれてる。どいつもこいつも俺の脳という脳を破壊して情緒をぐちゃぐちゃにしやがる…


ふ、ふざけけるな!!!俺は50作品を見て耐性を獲得したピ――。[個人情報漏洩の為削除されました]


話が大きく脱線した気がしなくもないが…話を戻そう。

さて、何故ヒロインの種類を、ごみの分別のように丁寧に分けて書き記したのかというと、目下分別できないヒロインごみが転がっているからである。


メスガキヒロインは何属性ですか?可燃ごみに出していいですか?


「どうしたんだい?ボクはせっかくの知り合いが教室を負け犬の如き出ていくものだから、可愛そうでね。構ってあげようかと考えていたんだがね?」

「ま、負け犬…」


それって俺のことですかぁ?

額に青筋が浮かんだ。

編入初日の始業式、友好関係を築くことに失敗。故にそそくさと帰る決意をした俺であったが、そこをガキあおいに見つかった。


「なんだいその目は?ボッチなのに。君が存在しない友達と待ち合わせをしているように振る舞いながら教室を出ていくものだから現実にしてあげたといのに…ボクに投げるのは感謝の言葉だろ?」


手のひらをこちらに向けてオッ、オッとドヤ顔を向けてくる碧唯。


グギギギギッ

こっっのクソガキいいいい


でも俺は立派な大人だ。犬が電柱に掛けられたおしっこが流れる川よりも幅広く、NTR物の間男デブの陥没オチソチソ小指れべるよりも大きい器をもつ俺。


ここは、心の器の広さを見せてやろうじゃないか


「わぁ~ありがとう~~~!!!!碧唯!!!」

「うわ~プライドがない人間ってこんなにも憐れとは、また一つ人間の醜い面を見てしまった」

「ピ――――、(自主規制)ピ――――――。ピ―――(検閲済み)」

「あはっ♡殺す♡」


きっと、碧唯の心に俺の言葉が響たのだろう。この上ない笑顔を浮かべる。


また、世界に笑顔の花を咲かせてしまっゼ☆。ヤレヤレ


多分この後咲くのは血の花だろうが…

ほら見て~碧唯の霊力マナが膨れ上がってるよ。きれいだね、クソボケ


…碧唯さん?そろそろシャレにならないレベルなんですが――


「あなたたち!廊下で一体何をやって居るの!」


ぴしゃりと透き通った声が廊下を駆け巡る。それは前世で幾度となく聞いた声。


うわぁ…出たよヒロイン。

別に会いたくないとか、関わりたくないとかいう気はなかったけどせめて初印象は良くありたかったよ。


この上なく気まずいんだけど…


「す、すんません…」


コツコツと単調な足音を立てながらやってくるその子は、腰ほどまで伸びる髪を炎のように輝かせながらやってきた。


燃えるように赤い髪に、ルビーのように瑞々みずみずしい瞳。


そのキリっとした表情からはおのれに対する確固たる自信が見て取れる。


「始業式から随分と悪目立ちするじゃない?人がたくさん往来する廊下で」


悪目立ちしてるのはお前も―――


「なにか言いたいことでもあるのかしら?」

「いえ、滅相めっそうもございません」


ヒロインにすごまれた。怖い。

主人公にはデレデレになるくせにっ!!!


なんてことは怖いから口が裂けても言えない。俺は大人しく引っ込んでよ~と。


「あなたもよ。建物の中での戦闘は禁じられているはず。だというのに、さっきの霊力マナ出力しゅつりょく…校舎でも吹っ飛ばす気だったのかしら」

「あはっ!」


だが俺とは対照的にヒロインの冷たい視線を受けながらも、碧唯あおいは挑発的な笑みを浮かべた。

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