八百万の神々

第89話 傘

おいら、傘。

折り畳み傘。

折り畳み傘なんだけど、やっぱ、ダイソー。

ダイソーって昔は１００円で傘売ってたけど、

最近ちょっと物も値段もグレードアップしてるよね。

一応おいらもグレードアップ品。

３つに折れてコンパクト。

折り畳み傘ってドイツ人が考えたんだって。

ドイツのハンス・ハウプトって変な人で、ちゃっかり特許とって

製造、量産。

あ、ちなみにビニール傘は日本の浅草のホワイトローズ。って変な会社が考えたんだってさ。

おいらは折り畳み傘。ま、いってみれば、非常事態の時のお助けマンだよ。

普段は下駄箱か、カバンの中がおいらの居場所だけどね。

おいらダイソーだけど、軽くて意外に丈夫。一回こっきりの非常事態用だけでなく、

普段使いも出来るよ。一応。一応だけどね。だっておいらちょっと小さめだからね。

おいらのご主人様はなんだかんだと、おいらをずーっとカバンに入れてるけどめったに使わない。まあ、お守りがわりなのかな？でもなぜかおいらをかばんに常備。

雨降っててビニール傘をもってても、おいらは常備。

まあ、ちっこいし邪魔にならないんだけどね。

そんなご主人様でも、ほんとのたまーにおいらを使う。

でもまたずーっとカバンの中。

そんなかんじでもう５年ぐらいの付き合い。

なんだかんだと付き合いは長い。

おいらはいつもご主人様の背中にいる。

いつもリュックだからね。

でもさ、ご主人様。ちょっとした雨の時、おいらいるのにささずに小走りするのやめろよ。え？さすと汚れるからって？

喜んでいいのか、悲しんでいいのか・・・。