八百万の神々

第90話 サボテン

おいら、サボテン。

うちわサボテン。っていわれてるよ。

ミッキーの顔のような形だったりするし、

まあ、どっかで見たようなよくあるサボテン。

ひらべったいのだ。

おいらはダイソーでご主人様が買った。

年頃のオフィスレディーってやつ。

左手に30入りの不織布マスクを持ちながら、

じーとおいらを見つめてた。

で、どっかにいった。って思ったら、かごにマスクいれて、

再びおいらをじーっと見つめてた。

で、おいらをゲット。

ご主人様の住み家は中々ブルジョア。

2LDKのマンションってやつ。

そこに一人暮らし。

まあ、ちょっと寂しいよね。

彼氏はちゃんといるんだけど、いつもスマホで会話。

ちょっと画面見たことあるけどなかなかの男前。

そういやあスマホの画面、二人で写ってるのあったけ？

まあ、仲いいんだろうね。

で、ご主人様はおいらに話しかけてくる。

どっかでサボテンは人間の言葉を理解する。って聞いてきて。

ああ。なるほど。って。話し相手がほしかった？

おいらで良ければ。って思ってたんだけど、

話は会社のグチとか、彼氏のグチとか。。。

やっぱ相手にしないでスルーしておこう。

で、突然。がやってきた。

彼氏が一緒に住むんだと？同棲ってやつかな？

彼氏、おんなの家に転がり込むなんて。っておもってたら、勘違いだった。

この家もともと彼氏の家。なんか転勤で単身赴任だったそうな。

で、ラブラブの生活が一応始まったんだけど、

結局グチ聞く相手が一人増えた。

彼氏もご主人様もおいらにグチを言う。

まあ、結局仲いいし良しとするか。

ちょこっとサービスで、おいらが花さかせてやるよ。

あ、おいらの花言葉は、枯れない愛。だからな！

でも二人ともグチ。枯れないな。。。