第7話 自殺

 何もない空には一つの星があった。その星は僕をじっと見つめているようだった。

 本当に見ていたかどうかはわからない。

 でも、なぜか嬉しかった。

 なぜか笑った。

 なぜか泣いた。

 

 そして、なぜか思い出した。


 駅のホームで彼女に出会ってから、不思議な時間が流れてる。そしてある日こんなことを実感した。

 ホームで見た彼女と初恋の彼女が同一人物だということを。

 

 不思議な感覚はいつまで経っても消えなかった。包まれているような止めているようなそんな力を感じた。

 ある日僕の頭の中でこんな声が鳴り響いた。

「笑って。。。」

 僕は驚いた。突然声がしたからじゃない。その声は、確実に初恋の彼女が持つ声だった。

 その時僕は確信した。ホームで見た彼女と初恋の彼女が同一人物だということを。

 僕は容易に次のステップを予想できた。

「死ねばいい」

そう感じ、アパートのベランダまで出てそして― ― ―

『午後5時半ごろ、少年がトラックに撥ねられた模様。また少年は、ベランダから飛び降りていたようです。』

 僕は死んだ。飛び降りたら、トラックに撥ねられて即死だったらしい。僕はこのことを後悔していない。何もかもが幸せだろう。

 その幸せが何年続くかは誰も知らない。


―完―

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ホームで見た、君の横顔。 TEAR-KUN @tear-kun

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