第3話 変化
それから、1ヶ月がたった。
1ヶ月間、ずっとその子が頭から離れなかった。そんな中、変わったことがある。それは、友達がなぜか増えたこと。一回も話しかけてないのに、なぜか友達が増えた。
「よう。カラオケ行かね?」
「いや、いい、、、っておいおい。」
「無理矢理行かせるぞ。だって俺ら友達だからな。」
『友達』という聞き慣れない単語を聞いて、少しびっくりした。
その時、後ろに、気配を感じた。
もう一つ、変わったことがある。それは、成績が凄く良くなった事である。その子と出会って、初めてのテストでは学年一位をマークした。
だが、そのテストの最中、後ろに気配を感じていた。
その子と出会ってから、いつも起きないことが起きる。でもその代わり、後ろに気配を感じるようになった。誰かに見られている気がした。これを不思議に思った僕は、迷わず近所の寺へ向かった。すると、坊さんは僕を見てこう言った。
「これは、極めて珍しい霊がついています。」
なぜかこれを聞いて、不思議だとは思わなかった。
友達ができてから、随分と帰りが遅くなった。友達と遊んで、会話して、連れションして、友達の家に行くこともしばしばあった。その時でも、後ろの気配は消えなかった。
成績が伸び始めて、僕はだんだんクラスメートの注目の的になっていった。なんにせよ、前までは天才だとアピールしつつも成績は平均に行くか行かないかだった。うちの学校には、十傑と煽られる人々が存在する。到底及ばなかった。でも、今の僕は違う。そいつらと戦えるようになった。いつしか、僕は十傑の中でもトップを勝ち取ることができた。その間も、後ろの気配は消えなかった。
でも、その気配は嫌いじゃなかった。なんか、ほっこりしていた。安心していた。その気配に守られているような気がした。その子に恋をしてから、全てが狂っている気がする。でも、この生活は嫌いじゃなかった。
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