257.組織加入への覚悟
今度は小会議室に移って月山さんに連絡。
瑞葵と麗華は俺が訓練生と打ち合わせをしている間に、新しい職員との顔合わせを済ませたらしい。
二人の男性と二人の女性が入ってきた。
月山さんに挨拶しろと、目で訴えられたので挨拶する。
「
月山さんが俺を睨んできてから、駄目だこりゃって感じで首を振る。自己紹介はしたぞ?
「はぁ~。彼はこの組織の実質的なトップよ。今はまだ大学生だから表には出ないけど、将来はクレシェンテの代表になるわ」
一人の女性以外、驚きの表情だな。正直、もうその目には慣れた。それより、驚かず逆に目をキラリン☆彡とさせた女性は何者だ?
「
な、なに言ってるの!? この人。春塚ってことは、あの人の娘か? 月山さんを睨むと、目を逸らしやがった。おのれ~、知っていて黙っていたな。
資料によると23歳で飛び級でMBAを取得した才女のようだ。見た目は黒髪和風美人。日本人形のような女性だ。
「
元というか、このために自衛隊を除隊してきたようだ。大丈夫なのか? 見た感じザ・自衛隊員って感じだ。ちなみに、この人ホルダーの才能がある。適合率122%だ。
「
そ、そうなんだ。なんか、以前にあったのかな? 地味系眼鏡女子だな。
「
軽いな。神薙の人間にもこういう垢抜けた兄ちゃんっているんだな。
「ここにいる四人は、俺たちのやっていることを理解して来ているんですか?」
月山さんがまた目を逸らす。そして、四人とも首を横に振る。
「月山さん、大丈夫なんですよね?」
「だ、大丈夫よ……たぶん」
おいおい、月山さんにしては弱腰だな。まあ、神薙ご当主から押し付けられたっぽいからな。
「聞いているとは思うが、この組織というかこの世界に一度踏み入れたら簡単には抜けられない。そして、次に見せる映像を見た時点で、もう抜け出せないと思ってくれ。その覚悟がないなら出ていってもらって構わない。別の就職先を斡旋させてもらう」
「先ほども言いましたが、日本の未来を守るために力を貸して欲しいと言われ来ています。それに関しての真偽のほどを聞かせていただけませんか?」
「そうだな、間違いではない。俺たちのやっていることは、日本の未来のためになるだろう。だが、勘違いするな。確かに正義のヒーローとしてやっている者もいるが、金の為にやっているもの、自己満足のためにやっている者、さまざまだ。間違っても自分の価値観を相手に押し付けるなよ」
「風速さんはどのようなお考えでやっておられるのですか?」
ここで、それを聞くか?
「俺は正義のヒーローなどには興味がない。俺は強くなるという自己満足のためにやっている。その過程で付随的に平和に貢献しているだけだ」
「正義のためにはやれないということですか?」
「正義のためねぇ。簡単に言ってくれる。今、言ったばかりだろう? 自分の価値観を押し付けるなと。すべての人が早乙女さんのように、正義のために死ぬことを厭わないと思っているとでも? 戦争が起きました。じゃあ国のために死んでこい。はいわかりましたと言うとでも思っているのか?」
「それは極論でしょう」
確かに極論だ。
「だがな、正義なんてものは押し付けられるものじゃない。まして、正義のヒーローなんてものは自己犠牲のうえで成り立っているものだ。正義のヒーローだから金儲けをしてはいけない、常々品行方正でいろ? アホか。そんな聖人君子、漫画やテレビじゃあるまいし、いるわけないだろう」
「……」
驚きと戸惑いを混ぜたって感じの表情だな。正義のヒーローに対しての理想が高そうだ。
「いいだろう。特別に早乙女さんには俺たちのやっていることを見せてやる。悪いが三人は出ていってくれ、覚悟に関しては後日話を聞くことにする」
手元のPCで狩りの映像が入ったフォルダを呼び出し、閲覧規制がかかっているので名前とパスワードを入力。
「待ってください。私は覚悟を決めてきているので残ります」
「俺も本家からの話だからなぁ。そもそも断れねぇから残る」
「わ、私は……の、残ります……」
「いいんだな?」
三人が頷く。
見せる映像はどれがいいだろうか? やはり、六等呪位だろうな。その中でもインパクトがあるとなると、
大型ディスプレイと横のサブディスプレイ二つに映像を流す。
本当に悪党面だよなぁ。
こんな映像に慣れたせいか、月山さんはまったく動じていない。女性だよね?
に、睨まないでください。
猫(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ猫
スメラミクニラビリンス~月読命に加護をもらいましたがうさぎ師匠には敵いません~
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884258759
日本と異世界を行き来して成り上がる主人公のお話ですにゃ!
可愛い猫又が相棒ですにゃ。
猫(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ猫
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