243.合同討伐への要請
そのほかの話では、十一月に一斉
これは前に俺たちが狩った精霊・
参加するのは自衛隊、SHAA、四大派閥。過去に例のない東京支部の全ホルダーが対象となる。
そして俺たちクレシェンテに対しても、今この場で参加を要請された。まあ、いいんじゃないか? 三チーム参加できるように話をしておくと答えておいた。訓練生もその頃には七等呪位を狩れるようになっているので、参加させてもいいかもな。
当日はテロ対策訓練という名目で、各場所周辺を完全封鎖するらしい。魔法を使っても訓練の演出ってことにするみたいだな。封鎖といっても完全にできるわけじゃないから、遠くから炎などは見えるだろうし言い訳にはなるだろう。
「何かわかれば連絡しよう。それと、来月の訓練生の受け入れの件はよろしく頼む」
「了解した」
訓練生の件は問題ない。ある意味、自衛隊に見せつけるための被験者となる。きっちり仕上げて送り返してやる。そして、驚くがいい。
詫びのつもりか帰りにまたお菓子を大量に渡された。余っているのか?
「どうだったの?」
「向こうは気づいていなかったようですね。ただ、その情報を閲覧できる人間は限られているようなので、すぐにわかるようなことを言ってました」
「見つかったらどうするつもりかしら?」
「さあ、どうしますかねぇ。おそらく、指示した人間がいるはずです。そいつは潰しますかね」
おそらくじゃなくて間違いなくいる。興味本位で知りたかったのか、それとも最初から裏があって調べる必要があったのか。
「ど、どうするつもり?」
「指示したやつが大馬鹿者なら、以前に考えた暗殺が可能なのか検証のための実験台になってもらいましょうかね」
「あ、暗殺の実験って……」
「きゅ~?」
月山さんがかりんを撫でるのをやめたため、かりんが月山さんを見上げてなんでやめるの~? って顔しているな。
馬鹿なことをした奴が悪い。やられたらやり返すのが俺の主義だ。
今日は夜勤組は全員お休み。明日は日勤組も夜勤組も全員お休みとなる。もちろん、俺もだ。
十八時になり、麗華からスマホに事務所前に着いたと連絡が入る。月山さんたちも一緒に下に降りて麗華の祖父に挨拶するそうだ。
月山さんは神薙家の者だが、クレシェンテに出資している雪乃家の長老に挨拶する必要がある。
面倒くさいねぇ。まあ、俺に関係ないからいいけど。
かりん、行くぞ。この後、旨いもんがいっぱい食えるからな。遠慮は無用ぞ!
「きゅ~!」
目の前にロール〇ロイスが止まっている。麗華は助手席に乗っている。運転手が左後部ドアを開け、月山さんたちが挨拶をしている。その間に麗華が降りてきて、ニコニコしながらかりんを奪って助手席に戻っていった。
何か一言あってもいいんじゃね?
月山さんたちの挨拶が終わったようなので車に乗り込むと、すぐに車が動き出す。。
「初めましてでいいか? 寝てる間に一度会っているけどな。
「うむ。
手術後に使った後にもう一度訪れアンクーシャを使っている。その時も寝ている間にな。その後の検査で完治が言い渡されたそうだ。
「気にするな。神薙ご当主との契約の一部だ。それに今回は効果があるかの被験者だったにすぎない」
「それでもだ」
そう言って頭を下げてきた。
「わかった。感謝の気持ちを受け入れよう。だが、今日の奢りでチャラだ」
ニヤリと笑った麗華の祖父と他愛ない話をして、着いた場所は神田にあるこじんまりとした料亭。もっと有名な店に連れてこられるかと思っていた。隠れ家的な店なのか?
貸し切りらしく客は俺たちしかいないそうだ。そんな料亭の中庭の見える奥座敷に案内される。
席について料理とお酒が運ばれてくる。正面に麗華の祖父、俺の横に麗華が座っている。
麗華の祖父は日本酒を手酌、俺はビールで麗華がお酌をしてくれている。かりんはぶどうジュースだ。
クレシェンテの女性陣が調べた結果、かりんはぶどうジュースが好きだと判明、それも100%のもの。混ざりものには一切口をつけないらしい。なんでも食べるからなんでも飲むかと思っていたら、こだわりを持っていたらしい。
次に好きなのがりんごジュース。みかんジュースは嫌いみたいだ。
濃縮みかんジュースは美味しいのにな。
ようわからん。
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