223.二次会
〆は冷麺かチャーハン、お茶漬けから選べる。俺はお茶漬けを選んだ。甘辛い鶏そぼろが乗っていて、お茶とワサビに合う!
デザートは果物とバニラアイス。口の中がさっぱりとして満足。
そして、案の定二次会に誘われる。
俺はいいけど、ほかはどうする?
行くメンバーは全ホルダーと赤星さん、水島顧問、遠野さんとなった。瑞葵も麗華も行くと言う。未成年二人も酒を飲まない約束で参加。カラオケがしたいそうだ。
健志が前に連れて行ってくれた、BAR WALKに電話を入れる。大人数だからな。ちょうど客が切れたところらしく、健志が話を付け貸し切りにしてもらった。やるな、健志。
「あまり、羽目を外さないようにね?」
そう言って、月山さんがメタルのクレジットカードを渡してくる。ありがとうございます。ゴチになります!
店に着くと看板の電気が消えている。貸し切りにしたからか?
「「「お待ちしてました~!」」」
「「「「「うぇ~い!」」」」」
ノリがいいな、こいつら。
さすがに十六人も入るとほぼ満席。ひろみママとお姉さん二人では捌ききれないので、朱珠がヘルプで手伝っている。
俺と瑞葵、麗華がカウンターに座り、ほかはボックス席に座った。
ビール、カクテル、ソフトドリンクを各々注文して、ひろみママたちも一緒に飲む。
「「「「「乾杯~!」」」」」
「今日のお大尽様も風速くん?」
キラリン☆彡とメタルカードを見せる。
「使えますよね?」
「もちろん! 今日は呑むぞ~!」
「「うぇ~い!」」
お姉さんたちもノリがいい。
「それにしても、凄いメンバーね。モデル並みの美人を両手に、あっちの四人組はチーム
なんじゃ、チーム
「その四人組と未成年男子、そっちの赤星さんにお酌されてデレデレしている遠野さんはうちの新入社員です。ほかもうちの社員ですね」
「神薙瑞葵です」
「雪乃麗華だ」
「神薙、雪乃……まさかねぇ?」
もしかして感づいたか? なんか、そういうのに詳しそうだしな。このひろみママ。
「先陣切って歌います~!」
葵がノリのいい歌を歌い出す。アニメの曲らしい。ってアニメかい! 上手いけど。
「で、お二人は風速くんの彼女なのかしら?」
「じょ、冗談はよし子さんですわ!」
「ど、どうなんだろう……ゴニョゴニョ」
「あらあら、お二人はこう言ってるけど、風速くんはどうなの?」
「将来は身売りされるそうだから、なんとも言えない」
「「「……」」」
ひろみママは唖然。瑞葵と麗華はやっぱりって感じだな。
月山さんの話だと、神薙家か雪乃家どちらかのご令嬢とくっつかされるそみたいだ。逃げることは不可能と言っていいらしい。既に既定路線なんだそうだ。
「へぇ、こんな美人さんがいるのに大変ねぇ~」
神薙家だと瑞葵の上にお姉さんがいる。雪乃家だと麗華には姉妹が上下に一人ずついる。そして全員が未婚。そこに縁者も加えたら何人いるのやら。
まあ、将来のことはその時が来たら考えればいい。今は今を精一杯楽しむ。
葵の次は柊が最近のヒット曲を歌っている。こいつもカラオケをしたいと言っただけあって上手い。その後も持ち回りでカラオケが興される。水島顧問は演歌なのはまあいいとして、遠野さんがJ-POPを歌ったのにはウケた。狙ったのか?
さすがに瑞葵と麗華はパスし、俺に回ってくる。何を歌おうか? 好きなバンドのバラード曲にしよう。
歌い終わったが反応がない。義理でも拍手くらいしようや!
「アニキ、まじ半端ねぇ……」
「アニキだからハードロックかと思ったのに……」
「アニキは完璧超人か~!」
急に拍手が起こる。ちょっとびっくり。それと、残念ながら一千万パワーはないと思う。
「風速くん、歌うまいね。デビューできるんじゃない?」
「恢斗にも戦い以外の特技があったなんて……驚きですわ」
瑞葵も珍しくと褒めてくれたな。麗華も頷いている。ちょっと嬉しい。
こうして楽しく飲み続け、気づけば朝。外は白々と夜が明けている。
「「「またのお越しをお待ちしています~!」」」
さすがに、飲みすぎた……。みんなぐったり。だが、言わねばならぬことがある。
「午後にはちゃんと出てこいよ!」
「「「「「鬼だ……」」」」」
「わ、私は今日は休みにしようかな?」
「私もお姉さまと同じで休みますわ……」
逃げたな。
「じゃあ……」
「二軍は狩りは休んでいいが、フィットネスクラブは夕方でもいいから行け。三軍は休みなしと言ってあったはずだ」
「「「「「お、鬼だ……」」」」」
それに付き合う俺の身にもなれ!
解散!
各々、タクシーで帰っていく。さすがの瑞葵と麗華も家の車ではなく、契約しているハイヤーを呼んだようだ。
俺も飯食って帰ろう。
牛丼かなぁ。
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