202.貉侍
刀で攻撃するのをやめた
そして、
仕方なく氷薄の剣の水球で消化してやる。すかさず、回復もしてやる。踊って喜びを表現する
攻防一進一退になってきたところで、筋トレが終了した。
「さあ、やりますわよ! みなさん、お下がりなさい!」
いい連携だな。
ここからは瑞葵の訓練タイム。スキルを使いつつ双剣で攻撃。剣の技量は
瑞葵がダメージを受ける度に
もしかしたら、BP回復を覚えるかなぁ、なんて淡い期待を抱いている。
瑞葵は真・三段突きを使わず、スキルは使うものの己の技量のみで双剣を振るっている。回復時のみ後ろに下がり、その間は後衛の麗華たちが魔法攻撃などで
そうした間も瑞葵と麗華は意思一対のイヤリングでやりとりしているようだ。あれ、いいな。欲しいけど、使えるのが一対一なんだよなぁ。
おっ、
瑞葵が真・三段突きを放ち、すぐに後ろに下がる。そして麗華と
「ふう。いい運動になりましたわ」
「いい連携が取れていた。今度は恢斗の
「勝てるとは思うが、やはり
「そうなると、日中に下位の
「そうだな、明日からやってみるか?」
あまりやりすぎないようにな。まあ、レベルは上がらないと思うが注意は必要だ。日中だと人目に付きやすい。二人自体が目立つ存在だからな。
さて、次は俺の番なのだが、スマホのマップを頼りに移動する。そして、目的地の休工中の工事現場に着いた。どうやって入ろうか? 鋼板の仮囲いで囲まれている。取りあえず一周してみるか。
真裏に着くと一部が布製の仮囲いになっていたので、なんとか布同士を繋いでいる紐を外して中に侵入を果たす。
「恢斗といると犯罪者になった気分になりますわ」
「瑞葵……。これは間違いなく不法侵入になると思うぞ?」
しょうがないだろう。入らないとどうしようもないのだから。文句はホルダー管理対策室に言ってくれ。これもホルダー管理対策室に言えば入れるようにしてくれるのだろうか? 確認してもらったほうがいいな。
スコル 六等呪位 魔狼フェンリルと鉄の森の女巨人との間の子。太陽を追い回し太陽を喰らう狼ともいわれる。
北欧神話に出てくる狼だな。確かハティという狼もいたはずだ。
それにしても凄い威圧感だ。さすが、魔狼フェンリルの子だな。
「凄い存在感ですわ……」
「あれに勝てるのか? 恢斗」
スコルは間違いなくこちらに気づいているが動く気配はない。強者の余裕か? だが、前に遭遇した時に比べると感じる恐怖は少ない。少ないが恐怖は感じる。やはり、七等呪位とは違う。
さて、どうするか。なんて、やる気なんだけどな。ただ、何があってもいいように、瑞葵と麗華には逃げられる準備はしてもらおう。
「やってみる。瑞葵と麗華は外で待っていてくれ。最悪、俺を置いてでも逃げろ」
「本気ですの?」
「無理はしないほうがいいぞ? 恢斗」
「取りあえず、一当てしてみる。おそらく、
二人とも不満気だが納得してもらった。
よし、やりますか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます