201.相談
車も既に一台手配しているそうだ。来月にはもう一台必要になるけどな。
それにしても車のリース代はしょうがないが、駐車場代が高ぇ。事務所近くの月極駐車場で五万四千円、新宿駅近くとはいえ洒落にならねぇ。
それはさておき、俺も引っ越ししたいのでそのことも聞いておこう。
「新宿か池袋に部屋を借りようと思うのですが、不動産屋を紹介してくれませんか?」
「いいけど、風速くんの収入を考えると借りるより、買ったほうが安く済むわよ。部屋の広さはどのくらいがいいの?」
ずっと住むなら借りるより買ったほうが安いのはわかるのだが……。
「2LDKくらいですかね。来年になると妹がこっちに来る予定なので一緒に住もうと思っています。ただ、さすがに大学生だとローンが組めないと思います。福利厚生で住宅手当なんか無理ですかね?」
「妹さんとシェアするのね。そうね。少し考えさせてくれる? 相談してみるわ。二軍も増えて独身も多いことだし、いっそのこと部屋を買いとって社宅にするのもありね」
じゃあ、お任せしよう。
「前に話をした新人ホルダーが相談に乗ってほしいと連絡があった。どうする?」
そういえば、そんな奴らがいたな。水島顧問だけでは対処できないということか?
「何人かいたが誰だ?」
「自衛隊や警察に興味のあった五人組。アウトサイダー希望だった四人組。ホルダーを副業にしたいと言っていた三人だ」
って、あの時に残った全員じゃん!
「自衛隊や警察に興味のあった五人組は水島顧問に任せる。アウトサイダー四人組は相談に乗るって言ったからなぁ、俺が話を聞こう。残りは……一応話を聞くか。明日の午前九時に四人組。午後の四時に三人で頼む」
「わかった。この後、電話しておこう」
「どうする気なの? 風速くん」
「さあ、話を聞いてからでしょうね。俺も体が二つや三つあるわけではないので」
来月からは自衛隊からも新人が来るから、付き合えるのは今月それも夏休みが終わるまでだ。
そうこうしていると瑞葵と麗華たちが戻ってきた。
朱珠と葵は瑞葵と麗華と同じブランド物を選んだようだ。ちょっとばかし小金持ちになったくらいで、本物のお嬢様の真似事をすると火傷するぞ?
寝ていた男性陣を叩き起こして狩りに向かわせる。水島顧問が一緒だから問題はないだろう。
「私たちも出発かしら?」
「どこで狩りをするんだい? 恢斗」
「俺たちは大久保だな。最初は瑞葵と麗華で戸山公園で七等呪位を狩ってもらい、その後に大久保の休工中の工事現場で六等呪位を見てみる」
狩るかは行って見てから決める。取りあえず、どんなものか確認をしたい。
いやぁー、目立つな。
グラサンとフィンガーレスグローブを着けた俺が先陣を切って歩き、後ろにモデルのような瑞葵と麗華が並んで歩く。
たまにスマホのカメラのシャッター音が聞こえるので、無断で撮っているのだろう。本当に非常識な連中だ。
戸山公園に着けば人影はほとんどない。まずは七等呪位だな。
ほう。なかなか面白い
鑑定結果を説明して瑞葵に
瑞葵がバトルフィールドを展開して狩りが始まる。
麗華が勇撃の波動を使った……と思う。なにせ、勇撃の波動は見た目では使ったかどうか判断できない。
「
「くっ……。鬼畜恢斗!」
なぜ? そこまで言われる!
せっせと筋トレを始めた瑞葵と麗華、
先制はおなじみ
貉って狸とか穴熊を差す言葉でもあるから、
そこにこれまた進化したばかりの瑞葵の
少し離れた場所では、
足に噛みついている
だが、防御に徹している
やっぱり、そうなるよなぁ。
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