200.スポーツジム
トレーニングウェアを上から下まで、バッグにシューズ入れアンダーウェアにタオルなど有名メーカーで一式揃えたら、万札が十枚消えた……。
翌日、朝はゆっくりと寝てお昼はさっぱりとお蕎麦を食べようと思い、新宿駅西口のへぎそばが食べれるお店に行く。正直、へぎそばでもざるそばでもいいのだけど、気分がへぎそばだった。
そして、さっぱりとと思っていながらメニューを見て、ついへぎそばの大を頼んでしまう俺。三人から五人前らしいがぺろりと完食。蕎麦ならまだまだ入るな。
事務所に着くと全員揃っていたので、そのまま出発。案内は
話はついているようで、すぐに会員証が作られる。プラチナカードだ……。瑞葵と麗華のカードは俺たちとは違うカード。プラチナの上だとブラックか?
プラチナ会員はこの施設のすべてが使用可能でインストラクターも付く。最初に会議室に連れていかれて、どういった趣旨でのトレーニングを行うかの聞き取りがあった。
二軍は土、日以外は毎日通うのでアスリートコース。俺と瑞葵、麗華は体力増強コース。それに加えて瑞葵の提案で精神修行にもなるという、ヨガコースも追加になった。
一回で二時間くらいになる。だが、毎日これを続けるとなると結構きついかも。夕方以降に狩りもあるしな。
着替えて集合場所に移動すると瑞葵と麗華は注目を集める。ブランド品のトレーニングウェアで固め、そしてモデル体型。注目を集めないほうがおかしい。
それに対して二軍は酷いな。男性陣はランニングシャツに短パン。女性陣はジャージ姿。俺は有名メーカー品で揃えているので恥ずかしくない。揃えておいてよかったと、心からホッとしている。
「さすがに酷いですわね……」
「クレシェンテの品性が疑われかねないな。終わったら全員のトレーニングウェアを買い揃えたほうがいいな。恢斗」
うむ。瑞葵と麗華のご意見はごもっとも。どう見てもプラチナ会員には見えない。安物でもいいからちゃんとしたものを買わせよう。
インストラクターさんの苦笑いの中、男女分かれてトレーニング開始。二週間は俺も通い続けるので、二軍とメニューは同じでやってもらう。
インストラクターさん曰く、効率よく鍛えるために筋トレと有酸素運動を交互に行っていくそうだ。なので、今日は筋トレ中心の日になった。
やってみると、これがきつい。ウォーミングアップのストレッチが終わり筋トレが始まるが、ゆっくりと力強くやってくださいと言われてやるが、数分やっただけでヘトヘトになる。これは、明日は筋肉痛かな……。
一時間近く筋トレを行い十分間のランニングの後にクールダウンのストレッチ。一度、シャワーで汗を流し、着替えて男女合同でヨガ。正直、体が固くて筋トレよりヨガのほうがきつかった……。
ヨガが終わりサウナや風呂に入り疲れを癒す。本当はここでビールをかぁーっといきたいところだが、駄目だろうな……。
すべてが終わった後に男女に分かれてトレーニングウェアを買いに行く。近くのスポーツ量販店をスマホで検索して行くことにした。女性は女性同士のほうがいいだろうからな。
健志たちはそこそこのものを二セット買い揃えた。毎日通うなら二セットは必要だよな。俺ももう一セット買っておこう。
ちなみに、給料はもう支払われているので、貸す必要はない。十分すぎるほどの金が振り込まれている。俺もそろそろカードを作ろうかと思っている。現金を持ち歩くよりいいだろう。給料用に新しく銀行に口座も作ったことだしな。
ほかに用もないので、喫茶店に寄ってコーヒーを一杯飲んでからクレシェンテの事務所に戻った。
さすがに疲れた二軍の男性陣は待機室のソファーと会議室に分かれて爆睡。二時間くらいは寝れるな。
俺は月山さんたちと打ち合わせ。今日の狩り場の選定などこれからのことも話し合う。
「じゃあ、二軍が車を使っていいのね」
「はい。二軍は当分、代々木公園の七等呪位狩りをお願いします。俺たちは今日は六等呪位と七等呪位を大久保で狩りますので」
「恢斗君たちにサポートは必要かしら?」
「いえ、今日は六等呪位を狩るかは決めていないので必要ないです。ですが、そろそろ依頼の懸っている近場の七等呪位が少なくなっています。移動用の車は必要になります」
前に問題のあった新宿中央公園などにはまだ依頼の懸った七等呪位はいるが、ホルダー管理対策室に連絡しないとできないから面倒なのだ。そういった場所はいくつも残っている。
「水曜から新しい職員が来るから車も用意するわ」
「決まったんですね」
「自衛隊を退役してうちの系列の警備会社で主任をしていた人を引き抜いたわ。一応、雪乃家の遠い分家筋よ。真面目で家族等にも問題のある人はいないから大丈夫だと思うわ」
年齢は四十五歳、子どもが二人の四人家族。裏はちゃんと取ったということなので問題ないだろう。
裏の世界、それも異世界のような場所での仕事になるがどういう顔をするか見ものだな。
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