197.自衛隊員受け入れ?
今まで戦ってみて、呪位が一つ上がると半端なく
七等呪位となれば、うち以外の組織のホルダーでは中堅以上のホルダーじゃないと狩れないのが実情。
「五等呪位は十年で五十体の六等呪位を生み出す。六等呪位は五年で百体の七等呪位を生み出す。七等呪位は一年で二百体の八等呪位を生み出す。これはわかるよな?」
全員が頷く。
「八等呪位以下は日中でも存在し、人の生気を吸い死に至らせる。いかにして八等呪位を減らすかを考えれば自ずと、八等呪位を生み出す七等呪位を減らすのが一番。七等呪位には一年しか猶予がないからな。ここの流れを止めない限り、
「だが、その七等呪位を倒すのがある意味、ホルダーが一流になれるかの登竜門。そう簡単にはいかないのが実情だ」
「だから俺が新人ホルダーを育てて、今までのやり方が間違っていると証明してやると言っている」
神将のみなさんは興味ありげな目で俺を見ている。
逆に周りからの視線からは敵意を感じるな。今までのやり方が間違っていると言われればそう思う者もいるよな。だが、間違いは間違いと言わなければ、いつまでもこのままで弱いホルダーが量産され続けられる。
「いいだろう。その提案に乗ろうではないか」
「沢木管理官!? 本気ですか!」
「塚原君、いいではないか。二か月間くらいならどうとでもなるだろう?」
「ですが……上が何と言うか」
「そこは私が説得しよう。それよりもだ、風速くん。そこまで言い切ったのだ、できませんでしたでは済まないぞ?」
意味がわからない。なぜそこで俺に責任をなすりつける。こっちが代わりに育ててやると言っているんだぞ? まあいい。
「いいだろう。失敗したら。タダで七等呪位を百体狩ってやる」
「本気か?」
まあ、依頼の懸った七等呪位を百体狩れば五億円だからな。
「構わない。だが、こちらが成功したらどうするんだ? 責任だけこちらに押し付け、成功しても何も無しってことはないよな?」
「……」
「責任ある仕事には対価を支払うのが当前だろう? それとも、本気でタダ働きさせるつもりだったのか?」
「何が欲しい?」
さて、何にするか。秘匿情報が欲しいが情報の内容はピンキリだからな。今のところこれといった困ったこともないしな。もちろん、情報があればそれはそれでいいことだが、どうしようか?
「手垢の付いていない、適合率140%前後のホルダー候補五人」
「むっ、さすがにそれは横暴ではないかね?」
「それが、失敗したらすべての責任を取らせようとしていた奴の言うことか?」
「どこでも人材不足なのが実情だ」
んなことは、わかって言ってるんだよ!
「うちに任せれば七等呪位を狩りまくるホルダーになるんだぞ? クレシェンテが七等呪位を狩り、四大派閥とやらが八等呪位以下を狩る。住み分けができていいと思わないか?」
うちの二軍で七等呪位を狩るのは年間二百体は堅い。もう一つチームができれば、年間四百体になる。
そして、俺たちは六等呪位以上を狙う。
それだけで、今まで減るどころか増える一方だった
チームの数を増やして行っても、結果が出るのは数十年後かもしれない。
「日本という国を守りたいのだろう? どこに躊躇する理由がある?」
「……善処しよう」
沢木管理官は俺が失敗することを望んでいるのか? それとも成功することを望んでいるのか? 本当によくわからないな。
「決まりのようだな。うちは新人ホルダー五人と教導隊の者を二人出したいがどうだ?」
納得がいっていない塚原さんに代わって、諸岡さんが聞いてくる。教導隊二人ねぇ。自衛隊の育て方とどう違うのか検証するためだろうな。まあ、やればすぐにバレることだから問題ない。
バレたところでアドバンテージは俺たちにある。逆に自衛隊とは協力体制を築いていくのなら、自衛隊の実力が上がってもらったほうがいい。本音はハイランクキラーのことは秘匿しておきたいところだがな。
「こちらに口出ししなければ問題ない」
「なら、早いほうがいいな。今ならレベルが一桁代が多くいるからな」
この合同訓練が
もったいない。レベルを一、二損したってことだ。まあ、そのくらいならなそう問題はないと思うが。
やはり、もったいない……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます