177.作業服選び
月山さんも前乗りするので、星野さんも午前中に出社していた。
水島顧問を含め全員を会議室に集め、オークション出品選考会議を開く。
まず、星野さんがミニ雪だるまを譲ってほしいと発言。あのラブリーなフォルムを娘さんが気に入ったらしい。それを含めあの性能にも惚れたそうだ。星野さんは俺に何も言わないで~と目で訴えかけてくるので、俺は一個確保しているので、いいんじゃないと言っておく。
ここにいるメンバーはミニ雪だるまを見ていないし、その性能も知らないのでふーんて感じで了承していた。星野さん、策士だな。
聖結界(小)について水島顧問に知っているか聞いてみる。
「静岡、島根、宮城の封印をしているのがそれの超強化版だ。その結界なら十等呪位と九等呪位を寄せ付けさせないだろう。
「じゃあ、これはこのままこの事務所に置いておこう。ホルダーの仕事をしているから、事務所にいる社員に何もないとは言い切れないからな。それに、今現在も使っているが、空気が良くなった気がする。もしかして、空気清浄機能もあるのかもな」
ということで、これはクレシェンテで確保。
残りの品も相談して決めていく。
陰陽師関係の物はオークション行き。ほかに死者を呼び出すなんていう輪廻の香と魔封じの珠もオークション行き決定。
雨を降らせる竜神の札と植物の品質が上がる大地の恵みは元々の買取ポイントが低いのでクレシェンテで確保しておくということになった。東京はよく水不足になるからな、そんな時に貯水ダムに行って竜神の札を使えばいい。
社会貢献になるかも。或いは神薙当主の政財界への手札になるかもな。
その神薙当主に病気を退ける退病の指輪(小)を上納することにした。価値は2,000,000Pだから性能を考えると上納品にちょうどいいということになった。
そして、最後に残ったのが免罪符。これがショップで確認したらヤバいものだった。その価値10,000,000P。一千万円で犯罪がなかったことになるなら安いものなのか? だが、どのくらいの犯罪までが免罪されるのかがわからない。
結局、売れないよな~ってことになり、美酒満開と一緒に俺のホルダーに死蔵となった。
そのほか、属性の付いた装備や属性攻撃や+1の付いた武器数点を出品することになった。
話をしているともう昼時。今日の夜はホテルのレストランでの食事になるから、昼は軽めにしようと思いうどん屋へ。しかし、大盛無料と聞くと頼んでしまう悲しい性の俺……。頼んだかしわ天ざるは結構なボリューム。うどんはコシというか凄いもっちり感のある麺。旨かった、ごちそうさまでした。
事務所に戻ると全員揃っていた。大荷物を抱えてな。たかだか、三泊四日だぞ? そんなに荷物が必要か?
「俺、旅行なんて初めてで、何をもって行っていいかわかんなくて……」
で、そうなったのか健志……。あとで選別してやろう。
「女性は男性と違っていろいろ必要なんですぅ~」
女性陣は葵の意見に頷いている。そんなもんかね。だからといって、海外旅行に行くようなキャリーバッグが必要か?
小型の旅行鞄なのは俺と陸くらい。って、水島顧問、あんたもか!?
「いや、私は向こうでも書類整理をしようかと……」
やる暇あんのか? 無理じゃね? そもそも、まだ終わってねぇのかよ!
それより、見かけない人たちが大きな箱を持って出入りしているがなんだ?
「いまから、作業服を選びますので、荷物は一旦おいて会議室に集合ね」
なるほど、その業者が来ているのか。
会議室でその業者さんから持ってきた服について説明がある。女性陣のほうは作業服というよりスポーツウェアっぽいのが多いな。男性陣のほうはなんでもある。
健志たちと相談して決めたのが、某バイオなハザードの主人公が着ているような服になった。ストレッチ性の高い素材で出来ていて、余計な装飾が無い襟高の戦闘服のようなジャケットで、中はロンティか半袖。俺は黒、健志はカーキ、昌輝はグレイ、陸はシルバーを選んだ。
ミリタリーフィンガーレスグローブとグラサンが欲しくなる。ヤバい、少し厨二心が動いた。ミリタリーショップに行ってこよう!
女性陣のほうは瑞葵と麗華が代わる代わる試着して、女性陣で話し合い。瑞葵も麗華もモデル体型だから、あたかもファッションショーのようだな。
結局、某女スパイ三人組が着ているような服に決まったようだ。瑞葵と麗華、ぎりぎり朱珠は脚が長いから似合うが、葵は厳しいんじゃね?
瑞葵は丈の短いブルゾン。麗華は逆に腰の辺りまであるロングジャケット。朱珠と葵は普通のジャケットを羽織る形だ。所々に色が入っていて、瑞葵は紫、麗華は蒼、朱珠は紅、葵はピンクを選んだようだな。
正直、これで街中を歩いたら間違いなく目立つ。
いいのか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます