175.過剰戦力
はっきりと言おう。やはり過剰戦力だったと。
土偶魔人が目からビームを出した時は驚いたが、所詮その程度。ビームではなく冷凍光線だったようで。氷耐性以上を持つこのメンバーの前では児戯に等しかった。
混乱系の術を使われ、勇樹が不思議な踊りを踊っていたが、進化していた瑞葵の
ちなみに
さして、時間もかからず、最後は瑞葵の真・三段突きで幕を下ろした。
「余裕でした!」
「どの口がそういうことを言うのかしら? 翔子に兄の無様な戦いぶりを言いますわよ」
「……ごめんなさい」
弱いな勇樹……憐れ。
「ははは、まあ、いい戦いだったよ。私たちも強くなっていると実感できた内容だと思う。どう思う、恢斗」
「悪くはなかった。なかったが、これでは訓練にならない。
簡単に終わってしまうと、スキルレベルが上がらないし、適合率も上がらない。苦労してこそ上がるのだ。まあ、今回は勇樹の打ち上げをやるから急いでいたからいいとしよう。
「確かに恢斗の言うとおりかもしれませんわ。TPがほとんど減っていませんもの。もっとスキルを使って熟練度を上げなければなりませんわ」
「そうだな。早くこのプチというのを取りたいものだな。語呂として可愛くて気に入っているのだけど」
麗華は気に入っているのか……。
「瑞葵さんと麗華さんの戦いは、素人目にしても安定しているように見えるのですが、風速くんはご不満のようですわね」
「彼が見ている先は、我々凡人とは違う所を見ているのですよ。より、高みを見ているか、或いは我々など見ることも叶わないような先を見ているのかもしれません」
「天才ということでしょうか?」
「彼が天才という言葉で収まるかどうか……」
「恢斗が天才? 笑わせますわ! あれは異才! 賢才などではなく奇才の類ですわね!」
「瑞葵は容赦がないな。恢斗は鬼才でいいと思うぞ」
貶しているのか、褒めているのかわからない……。
さて、俺の番だが、ちゃっちゃと終わらそう。
相手はと、出た!? ぱお~ん! 名前なんだっけ? そうそう、
遊んでやりたいところだが、今日は時間がない。一撃で決めさせてもらおう。
勇樹から不死の指輪と
バトルフィールドを展開し
ぱお~んは前と同じで、こちらを見据え横綱のように構えて動かない。
格の違いがわかっていないようだな。以前の俺とは違うのだよ! 以前の俺とは!
身体強化!
そして、居合の構えから、直撃、秘剣ソリッドスラッシュ!
太刀・焔を鞘に納める。金属破断の音がし、世界が割れる。
『アイテムをドロップしました。ホルダーに収納します』
『ハイランクキラー達成により比率が加算されました』
『小エリアボス討伐達成ボーナスによりホルダーランクが追加上昇しました』
『小エリアボス討伐達成により特殊アイテムを獲得しました。ホルダーに収納します』
『
『
「えっ!? お、終わったの?」
「ああ、終わったな……」
「なんて馬鹿げた攻撃ですわ……」
「恢斗はどこまで強くなるのだろう……」
「……ガクガクブルブル……」
「「「「「……」」」」」
よし、今日のお仕事は終わり。仕事終わりの一杯はサイコー! 脳内シミュレーションでは三杯目に突入している。
「赤星さん。撤収急ぐ! それとお店の選定は?」
「任せてください! 予約済みです!」
さすが、赤星さん。わかっている。
「ねえ、いつもこうなの?」
「いつもですわ」
「恢斗だからな」
なんか、俺が悪いみたいに言っているが、瑞葵も麗華も反対したことないよな? おかしくね?
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