170.必殺技
太刀・焔と小太刀・水禍を持ちガーゴイルに攻撃を仕掛ける。
速い!? 避けられた!
外骨格装甲をパージしたせいで動きが早くなったか! だがその分、防御力とBPは下がったと思いたい。
水島顧問がいるから加速は使いたくないので、身体強化で底上げを図る。よし、付いて行ける。フェイントを入れてからの獅子連撃。綺麗に決まったところで、秘剣ソリッドスラッシュ!
世界が二つに割れる。
『アイテムをドロップしました。ホルダーに収納します』
『ハイランクキラー達成により比率が加算されました』
『小エリアボス討伐達成ボーナスによりホルダーランクが追加上昇しました』
『小エリアボス討伐達成により特殊アイテムを獲得しました。ホルダーに収納します』
『
意外とあっけなかったな。それほど秘剣は凄いってことだ。
そしてやはり、レベルが上がらなかった。日中に下位の
「恢斗はやはり鬼畜ですわ!」
な、なんだいきなり。
「あんなに可愛らしい
やらねぇよ! 瑞葵の
朱珠と葵からもブーブーと非難の声が上がる。お前ら前にやった時なにも言わなかったろうが!
「それより、さっきの異質な技はなんだったんだい? 恢斗」
「必殺技だな。瑞葵が三段突きを覚えたように俺も新しい剣技を手に入れた。 秘剣ソリッドスラッシュ」
「くっ……。口惜しいですが、ダークヒーローの恢斗に似合いすぎる必殺技ですわ」
おっ? 瑞葵がデレた? 珍しい、明日は雨か?
「必殺技か……。浪漫があるな。私も覚えられるだろうか?」
麗華だけではなく二軍連中も興味津々だな。
「どうなんだ? 後衛にも剣技の書みたいなのはあるのか?」
「ないな。だが、スキルにそういうものがある。連続魔法、ダブル魔法、そしてレアスキルのユニオンスペルだ」
連続魔法は同じ魔法を連続で使うと二発目以降の威力が徐々に上がる。ダブル魔法は違う魔法を同時に使用できるようになる。ユニオンスペルは複合魔法ってやつだ。
連続魔法はTPに余裕のある者しか使えないが、リキャストタイムを無視できるのと威力が徐々に上がるのは破格の性能じゃね? 使用TPの少ない魔法を使えば威力の上がるマシンガンだ。
ダブル魔法はよく考えると俺はこれがなくとも使える。並列思考を使えば同じことができる。これを俺が覚えると、最大四つの異なる魔法を同時発動できるようになるのか? あまり使い道がないし魅力を感じない。
そして、ユニオンスペル。ホルダーの間では複合統合魔法と呼ばれているそうだ。なぜ日本語にしたのか、よく意味がわからない。これも超が付くレアスキルらしい。絶大なる威力らしいが、これも例え覚えたとしても使えない場合があるそうだ。
理由は使用TPが多いこと、それと統合する属性の組み合わせがわからないことらしい。所謂秘匿されている情報というわけだ。
正直、そこまでか? って思っている。魔法と言われれば相当数あるが、属性なんてそれほど数はない。火、炎、水、氷、風、土、雷、光、闇、聖、妖術、今のとこ俺が知っているのこのくらい。あとどのくらいあるのか知らないがそんなにはないだろう。
「どうしたら覚える?」
「魔法を使い続けると稀に発現するそうだ。スクロールとしても手に入ると聞いている」
要するにわからないってことだな。スクロールは完全な運だしな。
「そういうものがあるとわかっただけでも良しとしよう。モチベーションが上がるな。恢斗に負けてはいられないからな」
ユニオンスペルはさして魅力を感じないが、連続魔法は是非ともほしいスキルだ。倍とはいかなさそうだが徐々に威力が上がるのは超魅力的。俺のためにあるようなスキルだ。
「帰るか」
いつもどおり、帰りに飯を食おうと思うが人数が多いな。総勢十一人だ。こう多いとファミレスか広い座敷のある居酒屋とかか?
ファミレスという言葉に瑞葵が反応しキラキラした目で俺に訴えかけてくる。こいつ、本当にファミレスキーだな。全員の了承が取れたのでいつものファミレスに行く。今日は角席を含む横一列の三席を占拠。
最初の頃は驚いていた店員さんだが、慣れた対応をしてくれる。すでに常連といっていいかもしれないな。
瑞葵が喜ぶな。シェフはいないけど。
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