159.秘剣の力
本当に心眼を手に入れたかは別として瞑想修行を続けていると、戦っている
どうやら、
筋トレしていた
反応がない
動き疲れた
その間おとなしくしている
世紀末覇者か!? 七つの傷があってもおかしくない姿だ。
そんな姿で暴れ回る
仕方がない。そろそろ、動くか。
立ち上がり、太刀・焔を構える。
「下がれ」
おうおう、やる気だね。だが、俺もやる気満々?
なので、いっちょうかましてやりますかね。
本邦初披露、いやほかの国でも披露していないんだけどね。まいいか。
秘剣ソリッドスラッシュ!
上段に構えた太刀・焔を振り下ろす。
ピキーンっと金属が破断したような音がし、己が見ている景色が驚いた顔の
『レベルが21になりました』
ーーーー
ーーー
ーー
ー
一撃かよ。凄ぇな、秘剣……。
これは七等呪位卒業か? こうなってくると瑞葵と麗華のレベル上げが急務になるな。今の状態では俺以外誰もついてこれないだろう。また俺以外レベルは一桁代だ。レベル十五は欲しいな。
「な、なんすか!? あれは!」
「新技だな」
「一瞬、世界が割れました!」
興奮気味に葵が捲し立て、ほかのメンバーも頷いている。
世界が割れた。言い得て妙だな。
俺もそんな感じがした。あれはただ斬ったって感じじゃなかった。なんというか、すべて……そう、物だけでなく音、時間違うな、いうなればその空間そのものを斬ったって感じだ。
あれは避けようと思っても避けられるような攻撃ではない。言うなれば、必中必殺の剣。
恢斗は必殺技を手に入れた!
これがあればランキングバトルで負けはないんじゃね?
今の俺でも勝てないそこそこ強い奴はいる。だが、それは絶対的な強者ではない。レベル差による少しのステ値の違いと、場数を踏んだ経験の差でしかない。その差だってすぐにひっくり返せるくらいのものだ。
現守護のホルダーランク483の嶋崎さんも、然り。あの戦いからレベルが四つ上がっている。本気を出していなかった嶋崎さんだが、ステ値で並んだかもしれない。あの時は加速も使っていなかった、それに加え秘剣もある。嶋崎さんが本気を出したところで、負ける要素が見当たらない。
嶋崎さんも奥義は持っていても秘剣は持っていないだろう。水島顧問が嘘を言っていなければ、奥義の書や秘剣の書は超レアアイテムだということだしな。
「よし、帰るぞ。飯食ってから帰るが、なに食いたい?」
事務所に向かいながら、みんなで相談が始まる。
「アニキ、天ぷらが食べたいという意見にまとまりました!」
天丼じゃなくて天ぷらか? スマホで調べる。クレシェンテ近くに良さげな店を発見。水島顧問に電話して合流するか聞くと、行くという返事が返ってきたので店の場所を教える。すぐに店に電話して予約を入れる。総勢七人になるが問題ないとのこと。
着いたお店はこじんまりとした良さげな雰囲気。カウンター席は六人までのようで、座敷のテーブル席二つを用意してくれた。
俺と水島顧問はお任せコース、ほかのメンバーは十二品コースを選択。ビールを六本とウーロン茶も頼む。
朱珠が俺と水島顧問のコップにビールを注いでくれる。男に注がれるよりはやはり女性に注がれたほうが嬉しい。葵くん、注いでくれてもいいんだぞ?
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